1.それから4年がたった。
それから4年が経ちました。勇者の子孫が私の塔に毎日のように通い始めた頃彼も16になり勇者だと発覚して2代目勇者となりました。今日は彼が国王になる日。私はどんちゃん騒ぎの王宮を窓からのぞいていました。
2代目勇者の名前はグラテオス・テオ・ギルベルトと言うらしい。
意味は...忘れたわ。
夕暮れで日が落ちていく様子を見ながら私はため息をついた。いつの間にかコツコツと足音が聞こえた。
今日もグラテオスが来たのか。今日の主人公なのにいいのか?こんな地味な塔に居て?私はグラテオスに毎日トマトをもらってるから栄養が元に戻り大人の姿を維持できるようになった。まあ大人と言っても16くらいだけどね。扉のほうに目を向けるとグラテオスが立っていた。グラテオスは今は結構イケメンになりアイドルでもできるんじゃないかと言うほどに。
「グラテオス。こんにちは。今日の主人公がここに居ていいのかしら?」
挨拶をするとグラテオスは少し不貞腐れてこう言った。
「グラン、そう言うように言っただろう?ルミナス。そしてまだパーティーまで2時間ある。」
言うようになったわね。コイツ...
「では何の用かしら?グラン」
質問するとグランは私に近寄って手錠を破壊した。
「ルミナス、これで塔から出れるようになったぞ。それで...唐突なのだが私と付き合っていただけないでしょうか?」
グランは私に膝まずいて私の手の甲にキスしながら言った。
ちょと待って、でも今振ったらさすがにかわいそうよね。お礼として少しだけ付き合ってやろうかしら。
「ありがとう。グラン、いいわよ!少しだけなら付き合ってあげる!」
私はグランに抱き着いてそういった。少しグランは一時停止したが我に返って私をお姫様抱っこして塔の階段を駆け下りた。
「私は外に出たら何をすればいいかしら?市民として働く?それとも奴隷?」
これが重要だよねー
グランは苦笑いしてこう言った。
「大丈夫だ。お前の身分は金で買っておいた。お前は今日からルミナス伯爵として邸宅も用意して仕事も用意してある。」
うわーお。完璧じゃない。
「身分ってお金で買えるの?」
グランはにこりと笑いながら言った。
「もちろんさ。お金で解決できないものなどないからね。それと婚約者もちゃんと振ってあるしいつでも結婚できるぞ。」
うん、さすが...結婚する気はないけど。