11.*グラテオス視点*私の大事なお姫様
私はそれから4年後―
国王になる日が訪れた。
長かった、彼女の居場所を作ったりしたが、継母の皇后が何回も横やりを入れてくるのでなかなか彼女の手錠を外してあげられなかった。私は後継者教育や社交界でもう心がボロボロになった。でも彼女の所に通っていたからここまで持っていたと思う。彼女の所に通うにつれて段々自分が彼女に恋していることぐらい察した。
今は国王になった記念パーティーまで時間がある。今日こそ彼女をあの吸血鬼の塔から出してあげたい。
私は吸血鬼の塔の階段をのぼりながら考えた。
ドアを開けるといつも通り美しい彼女が居た。
「グラテオス。こんにちは。今日の主人公がここに居ていいのかしら?」
彼女の言葉を聞いてショックを受けた。だって先日私がグランと愛称で呼んでと提案したら頷いていたのに...
「グラン、そう言うように言っただろう?ルミナス。そしてまだパーティーまで2時間ある。」
私が彼女の問いに答えるとため息をついて子供を見るようなまなざしで私を見つめた。
私はいつまで子ども扱いされるのだろうか...彼女は鉄壁で多分私が告げなければ気ずかないだろう。
「では何の用かしら?グラン」
改めて彼女が問い返した。はぁ、ついに4年間彼女に伝えたかったことを言う時が来た。気のせいか鼓動がいつもより早く動いている気がする。彼女の手錠を外して私は言った。
「ルミナス、これで塔から出れるようになったぞ。それで...唐突なのだが私と付き合っていただけないでしょうか?」
最後のほうは緊張して敬語になってしまったが何とか言いきれた。私は彼女にひざまずいて手の甲にキスしながら告白すると彼女は気のせいか顔が赤らんでる気がするが確定は出来なかった。何故かというと彼女はやり手のポーカーフェイスだから。
「ありがとう。グラン、いいわよ!少しだけなら付き合ってあげる!」
彼女は私に抱き着いて交際を許可してくれた。だが『少しだけ』と言った彼女にちょっとショックを受けた。
―この日は私が生きた16年間で一番喜んだ日だと思う。なぜなら...ようやく彼女が私の大事なお姫様になったから―




