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姫様の解説その2

「じゃあ残りもちゃちゃっと説明しましょっか」

「お願いするわ」

「最初はノアギから行こうかしらね。これは単純明快、武術だけで戦うものね。魔法を使わないで誰が強いのかを決めるのよ。次に言う競技と併せて一番盛り上がると言っても過言ではないわ」

「剣に槍に拳に魔銃に斧に……弓、なんていうのもいたわね」

ずいぶん多種多様な武器が出ている。弓で近接の相手と戦うなんてその選手は強いなんてものではなさそう。

「で、最後の競技がクルセオ。さっきの競技と逆で魔法を使おうがどの武器を使おうが大丈夫。魔法を合わせて使うのが当然と言えば当然だけど多いわね。ミアとかちょうどいいんじゃないかしら?」

「うーん……どうしようかしらね」

「姉様、私も一緒に出ますから出ましょう!」

「そこまで言うなら……出てみようかしらね」

「ということでこれが明星戦の全競技ね。大体わかったかしら」

「ええ。丁寧にありがとう」

選考の申し込みまでそんなに時間はないし早めに決めないと。とりあえずエイリーンと組んでフラガエストは確定で申し込むとして……。

「そうだ、私魔銃ってやつに触ってみたいのだけれど……」

「早速ね!いいわよ!でも場所を調達するのは……」

「私が場所を用意しますわ」

「決まりね!」

「じゃあみんなが触れるくらい調達してくるわね!」

ウキウキしながら彼女は従者を呼んで早速調達し始める。ちょっとやってみたかっただけなのに一瞬で話が進んでいく。

「私はどれに出ようかしらね……」

ロベリアは大分悩んでいるみたいだ。通神書とにらめっこをしている。

「姉様はどの競技に申し込みますか?選考だけでもいくつか受けてみませんか?」

一方隣のレイは一緒に申し込みたそうにしている。この子は純粋な剣技も魔法も十分に強いからどの競技に出ても活躍しそうなだけに全部申し込みそうな勢いだ。

「そうねぇ……フラガエストは申し込むとして、三人一組なのよね。私とエイリーンともう一人……」

「あてはあるけど悩みどころなのよね。どうせなら四人一組ならよかったのに」

「多分そのあて同じな気がするわ」

二人して同じ顔を見る。知ってる人を入れるのが順当だしこの人選になるべくしてなるのは当然だ。

「私ですの?」

「ロベリアかレイを誘おうと思ってたわ」

「でしたら私じゃないほうがいいと思いますわよ」

珍しく彼女の口から辞退のセリフを聞いた。こういうことはやりたがると思ってたのに。

「何ですのその顔……。やるからには勝ってほしいですもの、だったら長年心を通じ合わせてきたレイの方がピッタリじゃなくて?」

確かにそれを聞くとレイの方がぴったりな気はする。ロベリアはロベリアでいい点があるとは思うけれど。

「それに単純にレイの方が強いと思うのよね」

「そ、そうでしょうか」

「じゃあレイ、一緒にお願いできる?」

「喜んで!姉様!」

気持ちさっきより顔が明るくなった気がする。レイと組んで何かをするのは入学試験依頼だろうか。

「じゃあ決まりね!この三人で学院代表をもぎ取るわよ!」

「頑張ってください!」

「応援してるわよ」


「それはそれとして三人とも、クルセオは出ない?」

「私は出ます」

「私も」

エイリーンの問いに即答する二人。魔法を使用していい何でもありの一対一、正直この三人に勝てると言い切れないので申し込むかを悩んでいた。

「ミアはどうするの?私、ミアと一回戦ってみたいわ」

最後のセリフに合わせた彼女の笑みを見てちょっとだけ背筋がぞくっとした。捕食者に見つめられたみたいなそんな気がする。

「姉様!申し込むだけ申し込んでみませんか?」

「一回くらい戦ってみるのもありだと思うのよね」

更に左と右からレイとロベリアに挟み込まれる。この二人もだいぶ好戦的だ。唯一の希望のノアはちょっと離れてこちらを見ていて、助けてはくれなさそうだ。

「……わかったわよ。出るだけ出てみるわ。自信ないけど」

「それはやってみなきゃわからないわよ?」

「そうですよ!姉様!」


結局今日の内に私達がそれぞれ応募してみる競技はある程度決まってしまった。もっと時間がかかると思っていたけれど意外とあっけないものだ。

「ノアは魔法競技に申し込んでみるのね」

さっきまで近接戦闘の競技の話ばっかりしていたが私達の中ではロベリアとノアだけが魔法競技にも申し込んだみたいだ。

「皆が挑戦しようとしているところを見たらちょっと頑張ってみようかな……って思ったから」

「そう言えば魔法の授業結構得意そうだったものね。実技なんて私達の中で一番早かったわよね」

「ロベリアさんとほぼ同着だったけどね」

貴族として魔法の使い方をある程度教わっているであろうロベリアと張り合うなんてこの子結構才能がある。特待生だしもともと優秀だと思っていたのに実際は想像を超えるくらい優秀な子なのかもしれない。

「みんなで一つずつは競技に出られるといいわよね。応援したいし応援されたいわ」

「できると思えばできるわよ」

「そうですよ!姉様!」

応援したいとか自分で言ったのにさっきから励まされてばっかりだ。


今日はこのまま解散だったので大まかに決まった人からまばらに帰宅を始めていた。私達も荷物をまとめて帰る準備をする。

「そうだ、早速明日魔銃を撃てる準備ができたけど撃ってみる?」

準備をしながらエイリーンがそんなことを言ってきた。

「早いわね……けどありがたいかも。是非お願いするわ」

「任せなさい!じゃあ明日授業の終わりに行くわよ!全員分用意したからミア以外もこの機会に触ってみましょ」

「いいんですか?嬉しいです!」

早速明日が楽しみになってきた。


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