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出発

「初めまして、シズク。改めて今日はどんなご用で来たのか教えてくれる?」

私は彼女の来た理由の概要は知っているがネイ達に説明をしていないのでこのタイミングで教えてもらう。

「かしこまりました。マスター」

ネイ達の方を向いて説明をする。

「皆様、改めて私シズクと申します。マスターが学園にいる間お助けをする様、命を受けております」

「補足すると、ロベリア様の護衛任務の時もイオナを呼ぶとき到着までの遅延が少し大きかったからその間の補助にシズクを呼んだの」

私が強ければ問題はないのだが、現状まだまだイオナ達に頼る場面は多そうなので応急処置みたいなものだ。

「なるほどね~!これからよろしくシズクさん!」

セイラは早くも彼女の手を握って挨拶している。

「でも、流石に6人もいるとちょっと手狭かしらね。あっちのセーフハウスじゃ……」

「セーフハウス?」

「あ、ヴェルーナにある父が用意したお家の事」

あぶない、セーフハウスなんてこっちの世界じゃ通じないのを忘れていた。たまに昔の言葉が出てしまう。

「まぁすぐに学院の寮に引っ越すから気にならないっちゃ気にならないし、お金は多少あるから隣の部屋を借りるのも考えてるわ」

「なるほど」

「そう言えば学院でのセイラの服はどうしようかしらね」

彼女も一応お付きとしての待遇で入れるので普段の服ではあまり良くないかもしれない。

「私のサイズでは……流石に入らないでしょうかね」

「流石に、ねぇ」

ネイは結構身長が高めで、セイラは私と同じくらいなので彼女の服だと少しぶかぶかだろう。

「店で買うか、イオナにまたお願いしようかしら」

「イオナさんの服なら安心できますね」

後でイオナにお願いしておこう。

「そうだ、話は変わるけどまた馬車を調達してきてほしいの」

「かしこまりました、ミア様」


「シズクさんもあの大きい船から来たの?」

「ええ。イオナイドから参りました」

「てことはイナと一緒だね」

「はい」

窓の方ではイナの膝上に座ったメーシャとシズク、セイラの四人で話している。

「メーシャはすっかりイナと仲良しね」

「わたしより懐いてない……?」

「お姉ちゃんも好き!イナも好きー!」

「もう、メーシャったら……かわいいわね!」

妹には弱いのが姉という生き物なのだろうか。早くレイに会いたい。目の前で妹をかわいがってる彼女を見ているとそう思えてくる。

「そういえば、いつヴェルーナに出発するの?」

「今、ネイに足を用意してもらっているから明日か明後日に出発しようかと思ってるわ」

「メーシャ準備できてる?」

「大丈夫!イナと一緒に用意したー!」

「えらーい!私もそんなに荷物ないしいつでも行けるから行くとき教えてね」

「ええ。もちろん」


暫くするとネイが部屋に戻って来る。

「ミア様、調達できました」

「あ、お疲れ様」

「いつでも出発できるように宿の前に置いておきました」

「じゃあ、天気が良ければ明日出発しましょうか」

「かしこまりました。……今更ですけど今回はあの航空艦に乗って移動しないのですね」

「たまには、ゆっくり移動するのもいいかなって思って」

どうせ大通りを移動するだけだしそんなに危険もないからたまにはこういう移動も悪くないだろう。

「なるほど。私が操縦いたしますのでゆっくりと外の景色をお楽しみくださいね」

「ありがとう」



次の日、ネイに体を揺すられて目を覚ますと窓から柔らかな光が差しこんでいた。

「おはよう、ネイ……」

「おはようございます、ミア様。いい天気ですよ」

「んぅ……そうみたいね。今日出発にしましょうか」

「良いと思います。とりあえず朝ごはんを持ってきますね」

「おはよ……ミア」

ネイが朝ごはんを取りに行くと同時にセイラも目を覚ました。

「おはよう、セイラ。いい天気だし今日出発することにしたわ」

「ん、わかったぁ」

寝ぼけ眼をこすりながら彼女は着替えを始める。多分ちゃんと伝わっているだろう。だいぶ眠そうだけど。

ネイの持って来た朝ご飯を食べて、少しゆっくりした後にネイに馬車の用意をしてくるように伝える。

「そろそろ出発しましょうか」

「やった~!」

「準備は大丈夫そう?忘れ物はない?」

「んー、大丈夫!」

左右をきょろきょろ見回してグッドサインをしてくれる。

「じゃあ、下でネイが待ってるから行きましょうか」

「はーい」

皆が下に降りて行ったあと少し部屋を眺めていると部屋がこんなに広かったのかと驚く。最初に来た頃はネイと二人で来てだいぶ広かったはずなのにいつの間にか狭く感じるほど一緒にいる人が増えた。そう考えるとあの時からいろいろなことがあったものだ。


「あ、ミア遅いよ~」

下に降りると既に皆馬車に乗っていた。

「ごめん、ちょっと考え語としてて」

ネイに出発を伝えると、ゆっくりと景色が進んでいく。やっと王都に行ける。


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