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遊ばれながらのお買い物

「これ、いいなぁ。メーシャに似合うかも」

「これなんていいかもしれないわね」

「どうですか?姉様」

最初に入ったのは髪飾りを取り扱うお店。ほかにも同じ学生や若いカップルがちらほらと見える。

「似合ってるわ」

「じゃあ買います……!」

ちょっとしたヘアピンのようなものをつける妹。うん、かわいいがすぎる。何をつけても似合うわね私の妹。

「こんなのも似合うのでは?」

「ふむ……こうですの?」

「赤い髪にピンク色の花、結構合ってると思います」

こっちではロベリアとノアが造花のついた髪飾りを囲んで鏡を見ながら品評中だ。せっかくなら私も何かつけようかな。あんまり髪飾りをつける習慣がないけど……たまにはおしゃれに目覚めるのもいいかも。

「姉様、髪をまとめるのも似合うかもしれませんね……」

髪を結うためのリボンのコーナーに入ってきた。そう言えば外へ出るときはほとんどストレートのままだった。

「どうです?姉様。ちょっと髪型変えてみますか?」

「い、いいの?」

「もちろんです!こっちに座ってください!」

そう言ってやる気満々の妹に促されるまま鏡の前に座る。

「……例えば、こんな感じに」

まずは簡単にポニーテール。首回りがスッキリして涼しい。結構シュシュタイプのものとリボンタイプのもので雰囲気が変わるものだ。

「さわやかでいいですね……!この髪を少し前に移すとちょっと包容力を感じますね」

「そ、そう?」

確かに言われてみればお母さん感のある髪型にも見える。続いて、一部の髪を三つ編みにして後ろでその三つ編みを留めるタイプの髪型。ファンタジーのお嬢様がやっているイメージの髪型だ。

「おぉ……!ますますお嬢様感が上がりましたね姉様……!」

「結構髪型いじるのもいいわね。ストレートも素敵だけど」

いつの間にかエイリーンも後ろに立って私の髪を触っている。とりあえずなされるがまま弄ってもらう。

「こんなのどうかしら」

エイリーンがふふんと満足気にしているのが鏡に映っている。そんな私の髪型はツーサイドアップになっていた。結構悪くない。普段しないだけにむしろ新鮮でいいかも。

「素敵です姉様!」

「結構いいかも……」

「でしょうでしょう!」

それからもいくつかリボンを使った髪型を試された。髪が長いのもたまには役に立つ。

「姉様姉様、このリボンを買いませんか?」

結局いくつかのリボンを提案される。いい機会だし買っておこうかしら。せっかく妹とエイリーンがおススメしてくれたし。

「ええ。そうするわ」

「せっかくなら他のものも見てみない?」

「他の?」

「例えば……こういうピンとか」

そう言って私の髪にそっとヘアピンを差してくれる。

「あら……ちょっと印象変わるわね」

鏡を見ると少し髪を留めることによって耳が見えて少しスッキリして見える。

「さらに~……こんなのもつけてみたり、ね?」

「ん……」

耳に何かがつけられる。ちょっとくすぐったいけど我慢する。

「おぉ……耳飾りいいわね」

スッキリ見えた耳にイヤリングがキラキラっときらめく。宝石っぽい赤い石がついていて素敵だ。

「こんなネックレスはどう?ミア」

セイラが後ろからそっとネックレスをつけてくれる。かわいいのはかわいいけど段々とアクセサリーがゴテゴテしてきたかもしれない。

「悪くないけど……つけすぎるとちょっと微妙かもしれないわね」

「こんなのもあるわよ?」

ネックレスを外されたところで今度は黒いチョーカーのようなものを付けられる。

「え、エイリーン……?」

鈴もついていてまるで猫の首輪にも見える。

「ふむふむ……服によっては似合いそうね」

「ちょっと……!外しなさいよ!」

二人して何やらぶつぶつとつぶやきながら何かを考えている。私は猫じゃないのだが……。

「少しにゃーんって言ってみない?」

「見てみたいかも」

「し、しないわよ」

「えぇ……?こんなのもあったのに」

そう言って猫耳カチューシャをぽんっとつけてくる。何でこんなものがこの世界に存在するのか。

「ねぇ、ミア……」

「見たいなぁ……」

左右から圧を感じさせながら見つめられる。そ、そんなに見られてもやらない。やらないんだから。

「ミア?」

「な、なに?」

正面を見て左右の圧を避けているとロベリアが話しかけてくる。

「お手」

ぽふっと差し出された手に思わず反応して乗せてしまう。

「はっ……⁉」

「そのまま猫の真似」

「し、しないってば!」

「にゃーんって言うだけよ」

「それが嫌なのよ……!」

「こんな猫っぽいのに?」

そのままロベリアが首下をくすぐってくる。若干気持ちよくて目を細めてしまった。

「ほら。猫っぽい」

「も、もう!いい加減にして!」

恥ずかしくなって思わず立ち上がって少し離れたノアの方へ向かう。

「ミア?どうしたの?」

「皆がいじわるするから逃げてきたのよ」

「そうなの?……ふふっ、ミアったらかわいいね」

そう言って彼女は手を猫耳のようにしてかわいいポーズをしてくる。そう言えば猫耳を外し忘れた。恥ずかしい……。顔が紅潮していくのがわかる。



「ミアったら……照れちゃってかわいい」

「猫姉様、アリですね」

「ほどほどにね」


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