皆の品評会
しばらくすると、私の水着のお披露目会(品評会?)も終わって各々の水着を見る時間ができる。
「ノアの水着、清楚さが増してていいわね……」
白色に王道のビキニタイプと軽い薄布をまとった水着はセクシーさをほんのり出しつつも優しい雰囲気とマッチして清楚さを感じる仕上がりだ。
「そう?うれしい。ミアの水着も素敵よ」
「ほんとにそう!ミア、お嬢様って感じもして素敵だよ~!」
後ろからふにゅんとした柔らかい質量と共にセイラが抱き着いてそう言ってくれる。同じ金髪とは言いつつノアと違ってセクシー要素が少し濃い目で大人な水着だ。彼女の巨乳がいかんなく効力を発揮していて視線を誘引する。
「セイラはその……大人な感じがしていいわね」
「お姉さんだからね!」
ふふんと自慢げにすると同時に立派な胸元が揺れる。こういう活発なお姉ちゃんは少し憧れる。というかセイラ、私に抱き着いたときさりげなく隙間にちょっとだけ手を差し込んでいなかったか?
「エトラは深窓のお嬢様みたいな感じで素敵ね」
「え、えへへ……そうですか?ありがとうございます……」
白色の水着が清楚な深窓のお嬢様感を演出していて素敵。ほんのりレイの水着を意識した部分もあって本人も満足そう。
「ミアさんの水着も……その、素敵です……」
「ほんと?嬉しいわ」
上から下まで視線を外したり凝視したりちょっと挙動不審ではあったけど褒めてくれる。特に脇と腰を見るときに視線が鋭くなったのを感じた。
「二人と姉妹だったら……姉妹コーデ……いいですね……ふふ……」
何やらぶつぶつつぶやきながら考えているみたい。
「うーん。思ったよりフィッティングの時間はいらなかったみたいね」
「水着ってそんなもんじゃないんですの?」
「想定よりも早かったのよ」
準備の良い彼女がゆえに少し予定の時間を余らせてしまったらしい。
「水着で室内にいることなんてめったにないしいいんじゃないの?」
正直みんなよく似合っていていくらでも眺めていられる。
「まぁ、皆がそれでいいならしばらくここでゆったりしててもいいけど……」
彼女が皆の方を見ると反対する人はいなそうだった。
「じゃあ少しゆったり皆の水着でも見ようかしらね」
「では、お飲み物をお持ちしますね」
「ありがと、シエラ」
「じゃあ、皆準備はいい?水着は後で持って行かせるからそのままでいいわ」
「……うん。大丈夫そうね」
しばらく互いの水着の品評会をした後、着替えなおして次の場所に移動することにした。室内でこんなに楽しいなら海に行ったらどれくらい楽しいのか。想像するだけでワクワクする。
「じゃあシエラ。後はお願いするわ」
「かしこまりました」
数人のメイドに後を任せて馬車に戻る。
「ふぅ……柄にもなく少しはしゃいじゃいましたわね」
「ロベリアって……結構こういう事好き?」
さっきの品評会で珍しくはしゃいだように皆の水着を見ては体を触ってうんうんと何かをつぶやいていた。
「嫌いじゃないですわよ。あまり機会がなかったからこういう時に楽しもうとしただけですわ」
ちょっと恥ずかしそうに、ほんのちょっぴり寂しそうにそう言う。
「じゃあ、これからはロベリアのかわいいはしゃぐ姿見られるようにいっぱい遊ぶ予定立てなきゃ、ね」
「……そ、そうですわね」
「あ、ロベリアちょっと顔赤いねぇ。かわいい~」
「気のせいですわよ!」
「いやいや赤かったわよ。ねぇ?」
「あ、その……そうみえました……」
「~~~~っ!」
流石にロベリアも皆にいじられてちょっと恥ずかしそうにそっぽを向いてしまった。こういうところも含めて普段見られない姿でかわいい。
「それでエイリーン。次はどこへ向かってるの?」
「買い物にちょうどいいところよ。いわゆる繁華街ってやつね」
繁華街……多分商店街とかだろうか。流石に夜の街方面ではないはず。
「王都のおいしい物も食べたいですね、姉様」
「確かに。あんまり探せてなかったし……」
実はあんまり王都に来て以来街に繰り出しておいしい物開拓をしようとはしていたけどあんまり進んでいなかった。
「皆でいろいろまわる時間はあるし、買ったものは全部運ばせるから思う存分楽しんでちょうだいね」
そうエイリーンが言ったところで馬車がきぃっと止まった。
「ん、ちょうど着いたみたいね」
扉が開かれてぞろぞろと馬車から降りていく。眩しい日差しと共に視界の中にたくさんの商店が現れる。
「おぉ……!」
「すごっ⁉こんなに王都ってお店あったんだ⁉」
そう言えばセイラは妹と遊んでいることが多かったしあんまり街に繰り出しているのを見たことがなかった。いつか彼女の妹もつれてきたい。
「じゃあいっぱい買うわよ~!」
「お~っ!」
エイリーンとセイラを先頭に市街地を物色し始める。次に私、レイ、エトラ。最後尾にメイドに日傘をさしてもらっているロベリアとノア。