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お披露目

「少し動いたら見えちゃいそうね……」

一通り着てみたが、やはり動いたら胸が飛び出そう。

「ミアリーン様。後ろで紐をお結び致しますね」

「ありがとう」

着るの自体は簡単だった。こまごまとしたアクセサリーもつけるとそこそこの気品は出る気はする。とはいえセクシーすぎる気はするが。腰に薄布を装着するとどうやら完成らしい。

「ど、どうかしら……」

鏡の前に立ち、くるっと一回転。シエラの方を向く。横に動くと胸が御開帳されないか不安になるわね。

「その……大変素敵です。ミアリーン様の魅力を十二分に発揮できていると思います」

「あ、ありがとう」

その場で軽く動いてみる。思ったよりしっかり隠れそうではある。

「ですがその……ミアリーン様のお胸が大きい分動かれるとこぼれそうで気を揉みそうではありますね。軽く羽織りものをお渡ししたい気持ちがあります」

「……そうよね。私もそう思うわ」

やっぱり少しこれはえっちすぎる。私みたいな子供には早すぎるものだと思う。エイリーンはこういうものを着るのだろうか、問い詰めたいかもしれない。

「ちょっとこれはいったんやめてもう一つの方着てみようかしら」

「か、かしこまりました」

そう言って一旦セクシーな方の水着を脱ぐ。改めてみるとなかなか下の角度も攻めている。

そして、もう一つの方を着せてもらう。今度は布の量が多そう。まずはビキニタイプの水着を下だけ。紐が細くて頼りないような……思ったより布が小さいような。

さらにその上からパレオを巻く。胸元にフリルの少しついた水着をつける。お、思ったより脇が出てる……。お腹も見えちゃう。

「ど……どう?」

お腹あんまり鍛えてないからだらしなく見えてないだろうか。

「す、素敵です!かわいさと大人っぽさが両立してます!」

「ほんと……?ありがと」

エイリーンのセンスが光ったというべきか、鏡で見る自分の水着姿も様になっている気がしてくる。もうちょっと痩せてもよかったかもしれない。

「これで皆の前に出るのね……緊張するわ」

「水着、お似合いですからご安心くださいませ」

シエラはそう言ってほめてくれる。ついでに背中を押して皆のところへ連れていかれる。


皆のところに戻ると、どうやら私が一番最後であったらしい。

「お、お待たせ。どうかしら……?」

皆素敵な水着を身にまとっている。私の露出度は別に高すぎるということもないか。

「あら、素敵じゃない。私の見立てに間違いはなかったわね」

「いいですわね。貴女らしさが出ていますわ」

「姉様!おそろいですね……!」

みんなして褒めてくれるから、ついついうれしくなってしまう。そして、レイの水着を見ると私の水着と色違いになっていた。

「おお……!ミアとレイが並ぶと姉妹感で整っててすごいいいね」

セイラが私に近づいていたレイの水着と私の水着を交互に見比べてうんうん頷いている。

私が黒で妹が白といった大まかなカラーリングになっている。髪の色とちょうど逆になっている。

「姉妹で一緒にすると確かにいい感じになるわね」

「そうでしょう!」

妹は二人に褒められてご満悦そうだ。

「とはいえ……」

エイリーンがおもむろに胸の下からお腹をつーっと指でなぞる。

「ひあっ!?」

「少し見えすぎな気もするわよね」

「ちょ、ちょっと⁉」

「確かに煽情的ではありますわね……」

ちょっと気になってはいたけど私のお腹そんなにだらしないのだろうか……。レイのお腹やエイリーンのお腹をちらりと見ると、ほんのり筋肉を感じるすらっとしたお腹が眩しい。それと比べると少しぷにっとしているかも……?

「ちょっとこれも来てもらえないかしら」

「ま、まだあったの?」

「たまたまもう一種類考えててね」

「わ、わかったわ」

どうやらもう一種類用意していてくれていたらしい。せっかくだしもう一つも着てみるのはありだ。素直にそれに従ってシエラに手伝ってもらいながら着てみることにする。

「こんな感じですね。これはこれで素敵です……」

「お腹は隠れていい感じ……。とはいえ側面は見えているのね」

これくらいなら適度な露出度だろうか。


「ということで、こんな感じなんだけど……」

またみんなの前に戻ってお披露目をする。胸元のビキニタイプの部分がスポーティーな風味を感じる脇見せ、おなかの横の部分が紐に変更されていた。さっきと違っておへその部分がしっかりと隠れていて少しいいかもしれない。とはいえ股にかけての角度はさっきより鋭くなっている。

「やっぱりこっちの方がいいかしら……悩ましいわね」

「両方似合っていると思いますわ」

「私もどっちも素敵だと思います!」

皆それぞれの言葉で褒めてくれる。各人の水着も各々にとても似合っていて素敵だから私も褒めたい……。

「あ……!」

ふと思い出してエイリーンの近くまで行ってこっそりと告げる。

「ちょっとエイリーン、あのセクシーな水着はどういうこと?」

「ん……?ああ、あれね。出来心よ。いつか夜にでも着て私たちを楽しませてくれてもいいのよ?」

「ど、どういうこと!?」

にんまりいたずらっ子のような笑みを浮かべてそんなことを言うエイリーン。た、楽しませるって……。

「あの水着はいったんおいておいて、さっきの水着かこの水着を外で着るのをお勧めするわ」


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