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上級生の実力

三人で一緒に試合会場へ向かうためにいつもの転送場所へ向かう。

「あの人たちが……」

当然だが相手の三人も同じ場所にいる。確かに前情報の通り凛々しく強そうな感じがする。イメージが先行してしまったかもしれないけど。

「今までの人と雰囲気が違いますね……凛としているというか」

「二人とも、あんまり雰囲気に飲まれちゃだめよ?」

エイリーンはそう言ってくれるけど、彼女たちのファンクラブみたいなのが大声で応援していてちょっと圧倒されている。

「ほら、行くわよ?」

少し動けなくなっていると彼女が手を引いてくれる。おかげで少し飲み込まれてたのを引き戻してもらえた気がする。

「え、ええ」

目の前に相手の三人が近づく。これからこの人たちと戦うのか。

「準備はいい?」

「はい!」

「はい」

両チームとも準備はできている。

「では、試合開始!」

合図とともに目の前が明るくなってついに試合が始まる。



目を開くとあまり景色の変わらない場所に飛ばされる。

「あら……?あんまり場所変わらないわね」

当然審判の先生や観客の生徒は当然消えているけれど、初めて景色のそう変わらない場所に着いた。

「あちゃー……これはなかなか厳しいかもしれないわね」

「え?どういうこと??」

「多分学院の模倣マップになっているはずなのよね……」

「姉様危ないっ!」

エイリーンに軽くマップの説明を受けようとしたところ壁の破壊音と同時に高い音が響く。

「あら、反応がいいわね」

「きゃっ……!」

レイはそのままつばぜり合いで少し離れた場所に連れていかれる。

「まずいわね……」

エイリーンがそう言った次の瞬間には彼女も襲撃される。

「ミア!気を付けて!」

「あら、余裕があるのね。お姫様は……っ!」

彼女ですら一瞬押されている。今のうちに加勢しないと本当にまずいかもしれない。そう思った時にはエイリーンを襲撃した彼女を後ろから攻撃しようとする。

「後ろが空いてるよん」

その声が聞こえたと思ったらお腹に強い衝撃が走って地面に叩きつけられる。

「私の相手はこの子かぁ……あんまり強くなさそう?」

すごいかわいい声なのに吐いている言葉はだいぶ棘が多い。

「強……っ」

土煙が晴れたところで相手の姿がはっきりと見えてくる。暇そうに槍をくるくる回しながらこちらが起きるのを待っているみたい。こちらはさっきの蹴り一つでお腹に激痛が走って立つのもやっとなのに。

「あ、やっと起きた?じゃあ続きやろっか」

流れるような動きで構えなおして鋭い雰囲気を発する彼女。

「っ……⁉」

消えた、と思ったら次の瞬間には鋭い突きが飛んできた。何とかその突きを剣で逸らせることに成功する。

「ほらほらほら~!」

次々と突きが飛んでくるが何とか逸らせてさばき続ける。さばき続けると言えば聞こえはいいけど客観的に言えばかろうじて命中を避けているといった方が正しいかもしれない。

「そんなんじゃ一生私に攻撃できないよ?」

ふっと視界から消えたと思ったら私の視界がグラっと揺れて青空が見える。さらに槍が顔面目掛けて飛んできたので首を反らせて何とか避けることに成功する。髪の一部が巻き込まれてしまったけど、髪で済んだのは幸いか。

「ふぅん」

槍を抜いて、私の髪を掴んで強引に立たせてくる。めちゃくちゃ痛い。

「ほら、構えて?」

構えた彼女には私のレベルで付け入る隙を見つけることはできない。防戦の中に一撃を叩きこむところを見つけなければ。しかし、彼女はそんな長い思考を許すはずもなく鋭い一閃がさっきまで私のお腹があった場所を貫く。

「ふっ……!」

何とか数回の攻撃をよけ続けるがどんどん息が上がってくる。このままだとあと数回も避けられない。

「やっぱ弱い娘かなぁ……っ!」

次の攻撃が来たところでついに相手の槍を掴むことに成功する。そしてグイっと引っ張って剣で一撃を与えようとする。しかし、槍を離した彼女が私の剣を直接止める。

「っ……!力強っ!」

私が振り下ろしているはずなのにピクリとも動かない。

「とぉ……っりゃぁ!」

残念ながら私が力負けして少し吹き飛ばされる。まさか一撃を与えることすらできないとは。

「ごめんね?そんな弱い子じゃなかった。訂正するね?」

「それは、どうも……っ!」

何とか立ち上がって相手を見るけど、さっきまでと違って法力があふれている。

「だから、一撃で仕留めに行くね。今回の試合で初めて出すけど……」


「頑張って受けきってね」


その言葉と一緒に飛び上がって上空で槍を投げるモーションをする彼女。さっきまでと同じ投擲なら避けられるはず……!

「行って……!」

彼女が槍を思いっきり投げつけたところで一歩後ろへ避けるように動き始めた。このままなら避けられる。

「っぇ……?」

しかし、次の瞬間に浮いた私の体は固定されていた。ピクリとも体が動かないし、視界が魔真っ赤に染まっていく。少し遅れて全身に激痛が走って意識が暗転する。


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