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二回戦の経過

転送場所につくとすでに選手はそろっていた。また6チームが一度に転送されて戦うみたいだ。ルールにほぼ変更点はない。と、思ってエイリーンの方を見るとしかめっ面であちらの方を向いている。

「どうしたの?エイリーン」

「あれ見て」

「あれ?」

彼女の指さす方を向くと、思いっきりこちらをにらんでいるエトラのチームメイトがいた。がっつりと敵意を感じる。

「あぁ……」

「後悔させてやるんだから」

「姉様、頑張りましょう!」

「皆、準備はいいか!」

にらみ合ってたら準備ができたようで、審判役の教師が皆に声をかけてくれる。

「よし、問題ないようだな」

一通り生徒たちを見たところで頷く。

「では、これから第二戦を始める。全力を尽くすように!」

「はいっ!」

皆がそれぞれ試合会場の自分の陣地へと入っていく。私たちも目の前の光の中へ歩いて行った。


「……さて、今度は平野ね。前よりは守りにくいかしら」

「そうね……視界がいいし、今度は二人で守る?」

「んー……いいわ。今回も私一人で」

「そ、そうなの?周りも強くなってるけど」

正直な話エイリーンだったらまだまだ一人で戦えるとは思うけど。

「私ならいけるわよ!信じてないの?」

「い、いや。そういうわけじゃなくて……前に出たくないかなって」

「出たいと言えば出たいけど……相手から来ることだってあるだろうし。問題ないわよ!」

「まぁそれは……そうだろうけど」

「わかったならほら、早く印撒いた撒いた」

基本的な戦術は前回と同じみたいだ。

「はいはい。わかったわよ」

そして撒き終わってから軽くブリーフィング。

「エトラのチームは見つけたら一旦避けることにしましょ?」

「結局戦いたいんじゃない……」

「いいでしょ!ぎゃふんと言わせてやるんだから……!」

決意の炎を目に滾らせるエイリーン。流石にこれには協力せざるをえまい。

「姉様、ここは彼女のチームと戦うまで絶対に生き残りましょう!」

レイもやる気十分みたいだ。

「わかったわ。三人で頑張りましょ!行くわよ!」

「「おーっ!」」

三人で気合いを入れなおした後、私とレイは相手の陣地を探して攻撃する。さっきよりも慎重に、それでいて確実に一つ一つの陣地を攻撃していく。

「行くわよ!レイ!」

「合わせます!姉様!」

そう言って私が先陣を切って敵を引き付ける。視界が逸れた相手にレイが攻撃をたたき込んだ。落ち着いたところで旗を回収して次へ。この調子ならエトラ以外のチームの旗は手に入りそう。

「順調ですね、姉様」

「あんまり油断しちゃだめよ。最後にあのチームが残ってるんだから」

「わ、わかってます」

とは言いつつ私もさっきより少しアグレッシブに動いている気がする。気分が高揚しているからだろうか。さっきまでずぶぬれになりながら慎重に戦った川沿いも一気に飛び越えて戦闘を仕掛けている。

「姉様も油断しすぎちゃだめですよ!」

「してないわよ!」

「ほら、ここ。怪我してますよ」

そう言って頬を拭ってくれる。ちょっと血がついていた。いつの間にこんな怪我。

「ごめん……気づかなかったわ」

「大怪我じゃないですから大丈夫ですけど……お互いに気を付けましょう、姉様」

「そうね」

今一度周りを確認しなおしてから手元の方位磁石を見る。次はあっちの方か。

「行きましょ、姉様」

「そうね」



「来たわね」

一人での防衛線。相手は二人だ。残念ながら数的不利だけど私は問題ない。振り下ろされた剣を受け流してそのまま私を狙う矢を弾く。

「ふん……っ!」

何度か剣を合わせてそのまま力押し気味に相手の子を吹き飛ばす。

「やばっ……!」

そのまま私が弓使いに迫って攻撃。一撃で退場させることができた。

「ふふんっ」

後ろから攻撃してきたさっきの子を受けて剣戟を交わす。私がかっこよく決めているのにそこを狙うとは。

「……不敬、よっ!」

二度目の吹き飛ばし。しかし今度は私も追いついて斜めに一閃。ほぼ同時に相手の子は光に包まれる。

「……ふぅ。ミアの支援がなくてもまだまだいけそうね」

そう言って元の立ち位置に戻る。


そうしてしばらく防衛を行ったところでミアたちが帰ってくる。

「エイリーン大丈夫?」

「ええ!しっかりと防衛しておいたわ」

「流石ね。怪我一つないなんて」

ミアはちょっとだけ怪我をしている。レイはほとんど私と同じで怪我をしていない。

「というかいったん帰ってきたの?」

「ええ。エトラ以外のチームの旗は持ってきたから、いったんね」

なるほど、そういうことか。

「どうします?三人で待ちますか?」

「それもいいわね」

「でも私たちの性に合ってるのは攻撃よね」

ミアは私たちのことをよくわかってる。ここまで来たら正直攻撃を仕掛けに行くのはありだ。

「どうする?ミア」

「私が決めていいの?」

「ええ。正直一番消耗してるでしょ?」

「うっ……そうね。……できるなら三人で一気に行きたいわ」

「決まりね」「決まりですね」

私達の行動指針は決まった。最後はエトラのチームとの決着だ。


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