つかの間の休憩
セイラたちは航空艦に乗ったことがないらしくとても新鮮な反応を見せてくれた。
「おっきい~!こんなのに乗れるんだ……」
「ようこそ、セイラ様、メーシャ様。イオナイドへようこそ」
イオナや複数の自動人形が出迎えてくれる。
「わぁ……!いっぱいイナお姉ちゃんがいっぱいいる……!」
たくさんの自動人形の中にはイナと同型機もいるから確かに同じ人形がいっぱい居る。
「では皆様。お部屋にご案内いたします」
イナがそのまま私たち四人を先導して部屋まで連れて行ってくれる。無機質な廊下を歩いていくと、分かりやすく色分けされた壁が見えてくる。
「こちらがセイラ様たちのお部屋。こちらがマスターたちのお部屋になります」
「ありがとう。イナ」
『当艦はこれより、ルインベルに向けて発艦致します』
艦内放送のような物で、イオナの声が聞こえる。
「これってどこから聞こえてるの?」
初めて艦内放送を聞いたセイラは不思議そうに尋ねてくる。
「んー……ちょっとわからないかな」
近くに確かにスピーカーのような物は見当たらないのだがきっと近くに何か似たようなものがあるだろう。
「航空艦って本当にすごいんだねぇ……」
「じゃあ、一旦荷物を置いてきましょうか。しばらくゆったりできるでしょうし」
「ん!わかった!」
そう言って個室に入ってみる。扉を開いてみるとネイとの二人では少し広すぎるくらいの豪華な部屋が広がっている。
「広いね……ネイ」
「お掃除のしがいがありそうな部屋ですね」
装飾品はそこまで多くないがシンプルめな家具がセンス良く配置されていて居心地がとてもよさそうだ。一日程でルインベルに到着するだろうからそんなにくつろいでいられるわけでもないがとりあえずソファーに座って目を閉じる。
「ふぅ……」
少し休んでいるうちにルインベルにもう到着するという連絡が入った。外はまだ夜のようだから近くの平地に船を止めて明日のお昼ごろになったら街に入ることにする。
窓がないから外の様子が全く見えない。大きい街と聞いているので夜景が綺麗に見えそうな気がする。
「ミア様、準備整いました」
「ありがと、ネイ。じゃあもう今日は寝よっか」
「かしこまりました」
実家で寝てたようなふかふかのベッドに横になって眠る。少し広いベットなので少し寂しい気がするし、ネイもとなりに添い寝してもらっている。妹と、レイと一緒に眠っていた日々が懐かしく感じる。もう少ししたらきっと会えるはず。
「ではマスタ―、お気をつけていってらっしゃいませ」
イオナたちに見送られながらルインベル近くの街道に送ってもらう。
「メーシャもイナちゃんとお留守番してくれてるから安心!お部屋も綺麗だしありがとね!ミア!」
「いいのよ」
歩いて数分くらいでルインベルの街の壁が見えてくる。帝国とは仲良くやっているとは言え街の防壁は高い。
「最初にクランに行ってお話を聞いてこよっか」
「だね!」
大通りを歩きながら通りすがりの人に場所を確認していると、しばらくしてレンガ造りの立派な建物が見えてくる。どうやらここがクランらしい。
「やっぱり大きい町のクランって立派なんだねぇ」
「ね」
大きい扉をぎぎっと押し開くとカーンのクランと同じくらい人がたくさんいる。とりあえず任務を見に来たわけではないので受付嬢のもとまで歩いていく。
「この任務を受けてここに来たのだけれど」
「確認しますね、少々お待ちを……。あぁ、駆除の方ですね。奥へどうぞ」
手で通路を進むように案内される。通路の奥の方にあった応接室で少しだけ待っていると別の受付嬢が入ってくる。
「お待たせいたしました」
今回少し短くなってしまいました。申し訳ありません。