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クルセオ、開始

私だけ魔銃を持っていくので荷物がかさばる。

「ミアだけ大荷物で大変そうね」

4人で集合地点まで向かうことにしたのでいままでより心強い。

「まぁ、手札が多いっていうのは悪い事じゃないわよ」

「それはそうかも」

「この4人同士で戦うことにならないといいですわね」

「いや、むしろ戦いましょ!私達で決勝を占拠しちゃいましょう!」

とんでもないことを言い出すエイリーン。クルセオは上級生も参加するのに私達ですべて取ってしまおうと。

「す、すごいこと言うわね」

「まぁそのくらいの気概で行かねば勝つことなんてできないですわよ」

「相手はどのくらい強いのかもわからないしね」

そうだ、今回はロベリアも敵になるから情報があんまりないんだ。油断ができない戦いが続くから精神的にも疲れそう。

「なんにしろ、ご褒美があるって考えるとやる気も上がるわね」

「ですわね」

「ちょ、ちょっと。そんなに期待しないでよ」

そんなことを話していたらいつの間にか集合場所についていた。さっきのノアギよりも参加者が多いように見える。

「今回も最初の方は一気に振り落としが発生するでしょうね」

「最初の方に負けるんじゃないわよ?みんな」

「が、頑張るわ」

ちょっと緊張する。相手はどのくらいの強さなんだろうか。最初は魔銃使ってからにしようかな……?様子見にはちょうどいい気がする。これくらいで倒れるなら剣を使わなくてもいいだろうし、相手が怪我をする心配もしなくてもいいから最初から全力でぶっぱなしちゃおう。

「姉様、そんな緊張しないで深呼吸しましょ?」

「そ、そうね」



しばらくすると対戦相手と場所が発表される。

「よかったぁ……」

私の相手に知ってる人はいなかった。しかも同じ一年生。

「ちょっとミア。油断しちゃだめよ」

「ご、ごめん」

「負けるとは思わないけどミアも一年生なんだから」

そう言ってエイリーンはほっぺをぷにっと突いてくる。ちょっと怒ってる。

「気をつけるわ」

ちょっとびっくりしたけど気合いを入れ直す。

「ん。じゃあ行くわよ!」

それぞれの会場へ移動するため荷物をまとめて出口へ向かう。


直前まで相手の装備はわからないように配慮されているらしく、仮設の待機所が設置されていた。カーテンをふぁさっと上げると簡単な椅子と大きめの鍵付きの箱がある。

「……盗難対策かな?大量だしこのくらいのものなのかなぁ」

とりあえず剣を腰にさげて狙撃タイプの魔銃を持つ。魔銃の有利性を抑えるために一息で撃っていい弾数は10発まで、引き金を一回引いたら一発しか出ないように制限が入っているのだ。というわけで一発の重い狙撃タイプを持ってきたわけだ。

やることは簡単。撃って斬る、これだけ。相手は名前の感じで男子生徒っぽかったし、近づきすぎて力負けをしないようにしないと。

「……よしっ!」

待機所を出ると対戦相手も同じように既に出てきていた。そして、指定位置に立つとスタッフの先生が転移魔法のようなものを使って今回のためにしつらえられた空間に転移させてくれる。生徒同士とはいえ全力で武器を使う以上怪我をすること、あるいは死ぬこともあるので別空間で死なないようにするのだ。

視界が開けたと思ったらふわっとほんのりあったかい空気が体に当たる。

「全員転移できましたね」

「問題ありません」

どうやら最初の方はある程度の人数を一度に同じ空間に送るみたい。まぁ手間も減るしそうなるか。

「では、総員用意!」

その声を合図に武器に手をかける。

「競技開始!」

そして、魔銃を構えて相手を照準に入れた。比較的細身の男子生徒。きらびやかな装飾のついた剣を持っていてこちらを見てぎょっとしている。

「ふぅ……」

一呼吸入れて引き金を引く。と同時に大きい音を立てて弾が飛んでいく。立って照準しているし少しズレはあるけどこの近距離、即座に相手の胴体に当たる。

「痛ってぇ!」

相手の悲鳴が聞こえる。けど、耐えられた様子だ。多分貴族だしお金をかけて高い装備をつけているんだろう。法力の量には寄るけどある程度魔法攻撃も物理攻撃も耐えられるらしい。ある程度まではルールで許されているのでこればっかりは仕方ない。

「ん……!」

即座に二発目を発射する。次は肩。その次はお腹。

「おい!」

痛みに耐えながら相手はこちらにダッシュで迫ってくる。この近距離だとやっぱり狙撃タイプは使いづらい。拳銃タイプが恋しい。


最後の一発を発射するころには最初の位置から半分くらいの場所まで近づかれていた。

「よしっ」

とはいえ、さっきまで剣を振りかぶって元気に向かってきた相手も息を切らして痛みに耐えている様子。

「卑怯者……!」

その相手の言葉と共に頭に一発。とどめの一発と思ったら運悪く相手がごろりと転がったタイミングで外してしまった。

「雑魚が……!撃ち切りの敵なんか……怖くねえんだよ!」

息を切らしているせいであまり決まってないけどそういって立ち上がって向かってくる。仕方ないし、魔銃を捨てて居合のように相手が振り下ろしてきた剣に合わせて剣を抜く。体重分少し重かったけど、甲高い音を立てて相手の剣を跳ね上げがら空きになった相手の胴を思いっきり叩き切る。

「勝負あり!」


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