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ノアの競り合い

さっきも見た地下のレーンがモニターに映される。少しのインターバルを置いてそれぞれ競技が始まった。ノアはさっきみたいに丁寧に照準を付けていく。一方一番最初に始めた選手は早速照準を済ませて的を砕いて行く。

「はやっ!?」

「これはノアと違う方法でやっているだけですわ。落ち着いて」

一瞬びっくりしたけどすぐにロベリアがなだめてくれる。

「違う方法もあるのね」

「どちらがいい、というのはありませんけどね」

二枚目を砕いていく相手選手。まだノアは動かない。わかってはいるけどすごい緊張する。正直本人より周りで見ている観客の方が緊張しているんじゃないか。

「ノア……」

「ほら、貴女が緊張しても仕方ないですわよ」

ポンポンと背中を叩かれたと思ったらついにノアが動き出した。一枚、二枚と的を砕いていく。一気に他の選手との差を詰めていっている。

「ほら、心配しなくても大丈夫でしょう?」

ロベリアは既にノアの勝ちを確信しているような口ぶりだ。三人とも的を外さずに当たっているから後は速さだけ。ノアに頑張ってほしい。

相手選手は残り二枚。ノアは残り三枚。と思ったらノアがもう一つ進めた。これで並んだ。相手も負けじと一枚砕く。

「いけるわよ……!ノア!」

続けてノアがもう一枚砕く。二人とも残り一枚。そして、先に光ったのはノアの方だった。とほぼ同時に的の上のランプが光る。

「やった……!」

「流石ですわ」

「やったわね!」

ノアの勝ちだ。その場では喜んだりしていないけれど彼女もちょっとガッツポーズのふりをしている。すぐに三人とも競技が終わったのであまりラグなく観客も歓声を上げた。それだけ競っていたみたい。やはりそんなに差はなく危なかったみたいでほっと胸をなでおろす。


しばらくしてノアが戻ってきた。

「お疲れ様、ノア!よく頑張ったわね」

「ありがと、ミア」

ぽふぽふっとソファーに座るように促す。

「予想通り、しっかりと勝てましたわね」

「ですね。ロベリアさんのおかげです」

「いいえ。貴女の実力ですわよ」

そう言ってお茶を淹れてくれる。ロベリアもお茶淹れてくれることなんてあるのか。

「……ありがとうございます」

「これでノアもきっと代表入りね」

「それにしても二種目連続なんてやるわね」

エイリーンも感心している。

「皆さんのおかげですよ」

「嬉しいこと言ってくれるわね」

大分緊張が解けたのかソファーに深く座って目を閉じるノア。今日はいっぱい頑張ったしあとはゆっくり休んでほしい。

「さて、次は……レイのマギアンドね。今日の折り返しね」

「ですね!優勝してきます!」

「自信満々ね」

「姉様が見てますから!」

やる気満々のレイ。かわいい妹の頭を軽く撫でてあげて応援してあげる。サラサラの髪を軽く梳くと少し彼女は嬉しそうにしてくれる。

「頑張ってね、レイ」

「はい!姉様!」

しばらく妹の応援も兼ねて隣にいてあげると、次の競技に出場する選手が呼ばれた。ついに出番だ。

「行ってらっしゃい、レイ」

「頑張ってくるのよ~!」

「行ってきます!」

意気揚々と競技場へ向かった。自分の妹ながら競技に来ていく服も似合っていて素晴らしい。

「そう言えばマギアンドって魔法戦よね」

「ええ。指定されたものだけ、って言葉はつくけどね」

「どういうものが指定されてるの?」

恥ずかしながら妹の出る競技の詳細を調べる余裕は私にはなかった。

「ん~……私も詳しくは知らないけど基礎的な魔法だけ使ってるはずよ?どれだけ効率的に、機転を利かせて戦うかってところじゃない?」

「なるほどね」

これはレイに向いていそうな競技だ。彼女は機転も効くし頭もいいしセンスのいい子だ。私の妹が代表になることも十分考えられる。

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