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猫ちゃんの異世界、旅日記。  作者: 椿姫哀翔
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魔の森 5話



ハルは、出してもらったテーブルに着いて、パンとスープを食べた。


「わ、美味しい…。」

〔なら、よかった。

食べながらでいいから聞いて。〕

「ん。」

〔とりあえず、ハルの魔力詰まりを直してから、此処を経とうね。〕

「え、でも…、」

〔でも、じゃない。移動しながらやると私が大変なのよ。だから、此処に居ながらやりたいの。〕

「そうなの?」

〔うん、初めてやることだし、力加減間違えたら大変な事になっちゃうかも…。だから、しばらく此処に居て。〕

「うん、分かった。」


アキは、ハルが此処にしばらく居ると言ったら自分のせいだと気にすると思い、『自分が居たいから居る。』とハルに伝えた。まあ、ハルに伝えた理由は事実だが。


〔よかった。

とりあえず、しっかりハルの身体診てみようね。〕

「うん。ぼくはなにすればいい?」

〔うーん、とりあえず診るだけだからそのまま食べてていいし、あ、ハルのこと教えてよ。診終わったから私の事も話すから。〕

「分かった。」


テーブルに着いてるハルの隣りにイスを出し、診やすい体制になった。


〔じゃ、診てくねー。〕

「うん。」

〔そういえばさ、ハルは何歳なの?〕

「歳?12歳だよ。」

〔え、ほんとに!?〕

「なんでそんなにびっくりしてるの?」

〔いや、身体が小さいからまだ5~6歳かと思った。〕

「そう、ぼくね、ローレンツ王国の第三王子だったの。」

〔え、〕

「でもね、産まれた時に魔力測ったら全く無いって出たらしくて、家族に一切会わせてもられずに離れでずっと生活してたの。」

〔1人で?〕

「うん。5歳までは、乳母が居たんだけど、ぼくの5歳の誕生日に辞めてった。それからは離れに1人で生活してた。」

〔そっか、〕

「ぼく、魔力沢山あるんでしょ?なんで、魔力無しって結果が出たの?」

〔うーん、多分だけど、魔力検査は魔力量を調べられる水晶を使ってやるんだと思うんだよね。その水晶がハルの魔力量に対応出来なくてエラーをおこした。それを調べた人がエラーって気付かずに魔力無しって言ったんだと思う。〕

「そんな…。」

〔こんな言い方悪いと思うけど、私はそれで良かったと思うよ。〕

「なんでだよ!!?」

〔魔力量が多いのは必ずしもいい事ではないから。〕

「え、なんで…?」

〔ハルの国で魔法がどれだけ貴重かは知らないけど、どこの国でも魔法・魔力は貴重。だから、産まれた時から大量の魔力があるって分かってたら、物心着く前から国に魔力提供させられてたかも。〕

「そうなの…?」

〔あんまりこの世界のこと詳しくないから仮定になっちゃうけどね。〕

「そっか、さっきは大声出してごめんなさい。」

〔ううん、気にしないで。家族に愛してもらえないキツさは、私も知ってるから。〕

「……、なんで…?」

〔………、結果でたよ。言うね。〕

「……うん。」



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