魔の森 1話
「んにゃー……」
目を覚ましたアキは、周りを見渡した。
(森に落とすって言ったけど、なんか、思ってた感じと違う…。)
アキは、首をぐるんぐるん回し、魔の森を見渡した。
魔の森に行くと言われた為、もっと薄暗くてジメジメしている所を想像していたが、実際は木漏れ日が差し込み、気持ちのいい風がそよぐ過ごしやすそうな所だった。
(そういえば、ヴィオ様が最初に確認してって言ってたよね…。えっと、《ステータスオープン》かな?)
ウィン
(わ、なんか出た。なになに…。)
周りに危険な雰囲気が無いため、アキは神のヴィオに言われた通りにステータスを開いた。
アキの目の前に半透明な画面が出てきた。
《ステータス》
名前:アキ
種族:猫
性別:メス
生命力:7,689,630
魔力 :8,795,234
素早さ:8,996,765
攻撃力:6,513,216
幸運 :9,785,365
属性:火・水・風・土・氷・雷・光・闇・無
魔法:生活魔法・攻撃魔法・防御魔法・補助魔法・空間魔法・回復魔法
スキル:鑑定・鑑定遮断・結界・念話・サーチ・魔力操作・隠密・気配感知・気配遮断・魔力感知・魔力探知・悪意察知・身体異常耐性・状態異常耐性・精神異常耐性・インベントリ・エンチャント
加護:創造神ヴィオの寵愛・癒しの女神エリュの寵愛
(いや、待って、ちょ、やりすぎじゃない……?)
アキのステータスは、魔王をも凌駕するものだった。
(と、とりあえず、ステータス見たから、次は、《インベントリ》だっけ?)
ウィン
平均値がどのくらいか分からないが、とりあえずやばい数値なのは分かったため、現実逃避のため、インベントリを開いてみることにした。
またしても、半透明な画面が出てきた。
《インベントリ》
テント・ベッド・クッション×6(大・中・小)・毛布×3・タオルケット×3・ナイフ×3・縄×15(1m・3m・5m)・鍋×6(大・中・小)・フライパン×3(大・中・小)・炊飯器・包丁×2(中・小)・食器×3・食材×30(地球で手に入る調理前のもの)調味料×20(地球で手に入るもの1つ1kg)・テーブル×3(大・中・小)・椅子×4・結界石×4・火打ち石×3・たらい×3・桶×3・タオル×15(大・中・小)・鏡×2(姿見・手鏡)・ブラシ×3・リュック・ポシェット・ポーチ×4(中・小)・巾着×3・魔力刀・魔力銃・金貨×300・銀貨×500・銅貨×1,000・フィスィについての常識本×20・ヴィオからの手紙
(はあ……。いや、なんとなく分かったけど、ヴィオ様過保護過ぎ…。猫になったら必要ないものまで…。とりあえず、手紙読も。)
猫の手でも開けられるように封筒にのりは付いてなかったため、簡単に手紙を出すことが出来た。
「亜希さんへ
この手紙を読んでいるということは、無事に異世界に行けたんですね。良かった…。
亜希さんが今居る世界は、「フィスィ」と言って、僕が創った世界になります。
そして、亜希さんが今居る場所は、魔の森の奥に僕の力で神域にした場所を創って亜希さんの生活スペースにしました。亜希さんが必要ないと思ったらスペースからでて念じてください。そしたら消えます。魔物などが襲ってくる心配はないので安心してください。そこでしばらく魔法の使い方や魔物の倒し方などを覚えて自分の身体に入れ込んでから旅にでも出てみてください。この世界にも、良いところが沢山あるので、気が向いたら見て回ってみてください。
その神域は、亜希さんが認めた人なら入る事が出来ます。
体力も魔力もMAXに近い身体にしといたのですぐに死んだりしないと思います。
この世界でめいいっぱい楽しんでください。
旅をして町に行った時、もし良かったら教会に寄ってください。ぼくの像があるのでそれに手を合わせてくれると、ぼくと話しが出来ますので。
亜希さんの毎日が楽しくて幸せな日になりますように天界から見守っています。 ヴィオより」
最後まで読み終わったアキは、丁寧に手紙を封筒に戻した。
(ヴィオ様は、本当に私の幸せを1番に思ってくれているんだ…。私が心を許せる人に出会った時に一緒に旅が出来るように猫になったら必要ない物まで入ってたんだ…。ヴィオ様、ありがとう。本当にありがとう。しばらくは、多分難しいと思うけど、心に余裕が出来たら人と関わってみます。)
アキは手を合わせヴィオに心の中でお礼と祈りを捧げた。