95 睨み合い
一方。とあるダンジョンの最下層にて。
「『グリーンヴェノム』ねぇ……。つかなんだよそのタトゥー。リザードマンにでもなりてぇのか?」
「グリーンヴェノム」の一人の上半身を見て、そう口にするサルタナ。それを聞いたタトゥーの男は不気味な笑みを浮かべる。
「いやァ別に? 俺の相棒がこういうタトゥー入れると喜ぶからやってるダケだよん」
「相棒だ?」
「そォそォ。多分、仲間意識でも芽生えるんじゃねェ?」
適当な口調でそう言った後、タトゥーの男は思い切り地面を踏みつけた。すると、直径10メートルほどの魔法陣が地面に浮きあがった。
「召喚・バジリスク!」
タトゥーの男が獰猛な叫び声を上げた直後。地面に展開された魔法陣から、体長10メートル以上の緑の大蛇が勢いよく飛び出してきた。
「キシャアァァァァァァッ!!」
バジリスクと呼ばれた緑の大蛇は、尻尾の辺りから獲物を威嚇するかのような音を出した。
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ナーガ
レベル:65
職業:召喚士(上級職)
副職:魔法使い(レベル100)
攻撃:325(5)
防御:325(5)
速度:325(5)
体力:325(5)
魔力:455(7)
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名称:バジリスク
ランク:S
属性:闇、土
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「召喚士ねぇ。そんな上級職があんのか」
タトゥーの男ナーガのステータスを確認するサルタナ。それを見たナーガがニヤリと笑う。
「驚いたかなサルタナくぅん。まぁ無理もないかァ。ヒヨっ子の君は上級職の人間なんてお目にかかった事ないだろうからねェ」
「は。そんなんじゃねぇよ。蛇のタトゥーしてる奴が蛇のモンスターを使役するっつーのが、そのまんま過ぎてつまんねぇって思っただけだ」
「キシシ! 生意気だねェサルタナくん! これから俺たちに殺されるんだからさァ! もっと笑ったらどうよォ!?」
鋭い蛇眼でサルタナを睨みつけ、何らかの攻撃を仕掛けようとするナーガだったが、横にいる女がそれを制止する。
「何? どうしたんだよアイナちゃん」
「ナーガ。アンタその蛇みたいな目でサルタナのステータス確認してみなよ」
赤い髪のツインテールと右耳に付いた大量のピアスを触りながら、淡々とそう口にするアイナ。ナーガは言われた通りにサルタナのステータスを確認した。
「アァ? おいおいマジか!! サルタナくん……トリガーだったんだねェ! キシシ! コイツァ驚いたワ! キシシシシャ!!」
「トリガー……。前にテッドの野郎も同じ事言ってやがったな。もしかしてテメェら、このデタラメなステータスについてなんか知ってんのか?」
「キシシ! さァね! 少なくとも君よりは知ってるんじゃないかなァ? 俺たちに殺されてくれたら教えてあげてもいいよん!」
「……く。ははははは!!」
壊れた人形のような生気のない笑い声を上げるサルタナ。
「いいねぇ……。最初はテメェら4人共皆殺しにするつもりだったんだが……予定変更だ。4人中3人は速攻殺す。最後の1人はトリガーとかいうこのクソステータスについて聞き出してから殺してやるよ」
「キシシシャァッ!! 結局何も変わってねェじゃんサルタナちゃんよォ! いいぜ来いよ! 俺のバジリスクちゃんのエサにしてやっからヨォ! キシシシシャ!!」
「……狂ってんのかコイツら」
サルタナとナーガ。睨み合う2人の狂人を見て、アイリは思わずそう呟いた。
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