表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

93/263

93 グリーンヴェノム


「これは……サルタナ?」


 サルタナの手配書を眺めていた俺の元にスカーレットが駆けつける。


「どうして、サルタナが……」


 青ざめた表情でそう口にするスカーレット。一度切り捨てた仲間の事がまだ気になるのだろうか。俺にはよく分からないが。


「どうしたんですか? スカーレットさん」


 手配書一覧の前で立ち止まる俺たちに違和感を感じたのか、ステラたちも遅れてやって来た。スカーレットと同様の反応をする元「レッドホーク」のリンリン、サルタナに対してあまりいい印象を持ってはいないものの、スカーレットとリンリンの心境を考えてか、複雑な表情を見せるステラ、一ミリも関心を示していない様子のジャスパー……と、三者三様の反応を見せるステラたち。そんな俺たちの元に、金髪ショートのギルド受付嬢エレナがやって来た。


「エレナ。コイツ何やらかしたんだ?」


 俺は親指でサルタナの手配書を示す。エレナは少し困った様子を見せるも、すぐに口を開いた。


「実は……。先日、皆さんが結界を破壊して魔王城に突入した際、我々ギルドからも調査隊を送り込んでいたのですが……」


「ほう」


「調査の結果、行方不明者であるレオ、ゼキラを覗く『ブラックファング』のメンバーを全員殺害したのがサルタナさんである事が分かりました」


「……え?」


 言葉を失うスカーレット、リンリン。自分たちの仲間だった男が殺人に手を染めてしまった事にショックを隠しきれていない様子。


「よって元『レッドホーク』リーダーであるサルタナを懸賞金1000万、ランクSの賞金首として扱う事が決定致しました」


 普段とは違い、事務的な口調で淡々と話すエレナ。


「しかし『ブラックファング』の連中を殺しただけで1000万か。随分と高く設定されたな」


「今回懸賞金の設定を行ったのは『ブラックファング』が所属していたギルドですからね。『ブラックファング』は悪い噂が絶えませんでしたが、その分実力は折り紙付き。主力となるパーティを失ったのですから、懸賞金もランク設定も妥当なものかと思われます」


「そうか」


 短くそう答えると、その場にしばしの静寂が流れる。少し気まずく感じたのか、エレナが口を開いた。


「……もしサルタナさんを探すのであれば、急いだ方がいいかと思われます。恐らく、既に賞金稼ぎのパーティたちが動き出している頃でしょうから」


 そう言い残し、エレナはそのまま受付へと戻っていった。




◇◆◇




 一方。ポカリ街から遠く離れた、とあるダンジョンの最下層にて。


「みーつけたァ。懸賞金1000万のサルタナくんだワ。まさかこんなに早く見つかるとは思わなかったなァ」


 4人組の一人が、サルタナを見てそう言った。


「あ? 誰だよお前ら。どうしてここが分かった」


 このダンジョンの最下層はモンスターの数が非常に少なく、冒険者がほとんどやって来ない場所だった。よってサルタナの隠れ家に打ってつけだったのだが……


「ウチのパーティーには特別鼻が利く奴がいてさァ。たまたま近くにいたお前の匂いを嗅ぎつけたってワケ」


「鼻? 会った事もねぇ俺の匂いがテメェらに分かんのかよ」


「まーなァ。そこは色々とネ」


「あぁそう。で、誰なんだよテメェらは」


「『グリーンヴェノム』。サルタナくんみたいな賞金首をぶっ殺してメシ食ってるぅ、賞金稼ぎパーティだよぉん!」


 そう口にして、男は羽織っていた上着を脱ぎ捨てる。その上半身は爬虫類の鱗のようなタトゥーで埋め尽くされていた。



お読みいただきありがとうございました!

よろしければブックマーク、評価、感想などよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ