表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

81/263

81 実力不足


「でよぉ、この前ソープでマジの巨漢が来てよぉ! クッソガン萎えだったわ! ガチでオークかと思ったわ!」


「え、オーク? お前それもしかして〇店の×ちゃんって女?」


「そうそうそう!! それよ!! もしかしてお前もヤったんか!!」


「ぶはは!! 俺らホールブラザーズじゃん!!」


「げひゃひゃひゃっ!!」


 酒カス共の低俗な会話で賑わうポカリ街のギルド。俺はその場にいない「レッドホーク」のスカーレット、リンリンを探す為、一度ギルドを出た。


 今回の魔王軍の襲撃で出た犠牲者は決して多くは無い。俺たち「バイオレットリーパー」や「ホワイトパール」、増援に来た魔法騎士団でさえ犠牲者を出すことは無かった。しかし「レッドホーク」と「ブラックファング」は別。「レッドホーク」のメンバーであるノアは行方不明、「ブラックファング」に至っては一部が行方不明、それ以外は全滅したそうだ。まぁだからどうしたという話ではあるが、強いて思う事があるとすれば、行方不明になる前にノアから情報を引き出せてよかった、くらいだろうか。


「……さて」


 俺は感知スキルで2人の居場所を特定する。どうやら2人は今、ギルドから少し離れたバーにいるらしい。俺は即座に瞬間移動を発動し、2人のいる店へと移動した。


「ここか」


 先ほどまでいたギルドと違って、随分と静かな雰囲気の店だな。個人的にはこっちの方が好みかもしれない。扉を開け、そのまま店内へ入る。すると、カウンターに座って酔いつぶれているスカーレットとリンリンと目が合った。


「お前……なんでここに?」


 テーブルに突っ伏していたせいで少し乱れた前髪を整えながら、スカーレットがそう言った。


「ギルドの方は騒がしくてな。静かに飲みたくてここに来た」


「あぁ……そういう事か。私たちも……今日はあそこにいる気分じゃなくてな」


「ノアが消えたからか」


 敢えてオブラートに包まずにそう言うと、リンリンが立ち上がって俺の元へズカズカと歩いてきた。


「貴方本当に最低でデリカシー無いですね! 本当はそんな事したくありませんけど、思わず殴り飛ばしてしまうところでしたよ!」


「リンリンやめろ……。他の人に迷惑だ……」


「……すみません」


 スカーレットに制止され、その場に立ち尽くすリンリン。


「……ノア。一体、どこへ行ってしまったんだ」


 珍しく弱った様子でスカーレットがそんな事を呟いた。


「……ノア、サルタナ、リンリン……皆となら、私たちはどこまででも行けると思っていたんだがな……。本当に、どうしてこうなってしまったんだろうか」


 話している途中で涙を堪えられなくなったのか、再び顔を伏せるスカーレット。俺の目の前に立っているリンリンも同じなのか、唇を嚙みしめながら下を向いた。


 どうしてこうなった、か。それは単にお前たちが全てにおいて実力不足だったからだろ、なんて思ったが、口にするのは止めておいた。これからの展開に悪影響を及ぼしそうだからな。


「……これからどうしましょうね、スカーレットさん」


「どうするもこうするもない。私たち2人でノアを探し出すしかないだろう」


「……そうですね。ノアさんは必ず私たちが──」


「ちょっといいか?」


 俺に横槍を入れられ、僅かに不快感を示す2人。

 余計な言葉が返ってくる前に、俺はその言葉を口にした。


「お前たち2人、しばらく俺たちと行動を共にしないか?」


 俺の言葉に、スカーレットとリンリンは唖然としていた。



お読みいただきありがとうございました!

よろしければブックマーク、評価、感想などよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ