45 七幻魔集結
一方、魔王城のとある一室にて。
そこには、魔王城へ侵入してきたテッド達を迎撃するべく、幹部である七幻魔が集まっていた。
「何!? 結界が破られただと!?」
「ちょっとガイア! あんたマジでうっさいんだけど」
プラチナブロンドの髪をした女性が、3メートルほどある筋骨隆々の男をそう咎める。
「わりぃなラミア!! けど信じられないだろ!! 魔王様が作ったあの結界がこんな短時間で破られるなんてよぉ!!」
「だからうっさいっての! 声のボリューム落とせマジで!」
「今度は小さすぎてマジ聞こえないし……なんでそう極端なのよあんたは」
「俺は0か100で生きる男だからな!! フハハハハハ!!」
豪快に笑うガイアを見て、ラミアは呆れて物も言えない様子。
そんな2人を遠目から眺めていた和服の少女が口を開く。
「しかし、結局誰なんじゃ? あの結界を破った猛者は」
「誰っていうか、チーム全員で破ったんでしょ。人間なんて、どいつもこいつも一人じゃ何もできない脆弱な生き物なんだからさぁ。マジウケる」
「そうかのぉ……まぁよいか。いずれにせよ、今回の相手は中々骨がありそうじゃのう」
少女とは思えぬ妖艶な笑みを浮かべながら、和服の少女は扇子を手に取って仰ぎ始める。
「あれ、つーかマジ忘れたんだけどさぁ。今回ウチらが捕まえればいいのってテッドって奴だけだっけ?」
「いや。最重要ターゲットはテッドじゃが、『転生者』か『トリガー』のどちらかがいれば、それらでも代替は利くそうじゃぞ」
「あーいつもの感じね」
気だるそうに納得するラミア。
「まぁどうせ他に『トリガー』はいないだろ!! となると『転生者』か!!」
「そうじゃな。ついさっき魔王城に突入してきた奴らの中じゃと『レッドホーク』のスカーレット、『ブラックファング』のゼキラは転生済みだった筈じゃ。『ホワイトパール』のリーダーのアルトも『転生者』じゃが、奴は今ポカリ街の防衛に就いておるからのう。そういえば『魔法騎士団』も街の防衛に協力しておるそうじゃから、もしかしたらその中にもおるかものう」
「ぷっ、街の防衛とかマジウケるわ。ウチらはあんな街別にどうでもいいのにさ。まぁ、おかげで戦力は分散できた訳だけど。あれつーか神楽ちゃん。『ブラックファング』のリーダーって確か……」
「レオか。どうやら今回は来ていないようじゃのう。相当な実力者のようじゃが、何せあの『ブラックファング』のリーダーを務めている男じゃ。誰かに制御できるような男とは到底思えん」
「ま、それもそうねー。あっ、つーかさ。ターゲットといえばもう一人いたじゃん。裏切り者のジャスパーちゃん、マジウケるんだけど」
何が面白いのか、ラミアは手を叩きながら爆笑する。
「ジャスパーか。確かテッドと互角の戦いを繰り広げた末、敗北してテッドの仲間になったんじゃったか」
「ジャスパーと互角だぁ!? なんだよテッドって奴、思ったより大した事無さそうだな!!」
テッドとの戦いを渇望していたガイアは、露骨に落胆した様子でそう言った。
「てかさー、今回ウチらの第1位と第7位は? 参加しないの?」
「第1位は別の任務に取り掛かっておるそうじゃ。第7位は確か別室におった筈じゃが、恐らく準備に時間がかかっておるんじゃろ」
「あーね。つーか七幻魔の穴塞ぎ、結局間に合わなかったな」
「いや、一人は間に合ったではないか」
神楽の言葉に覚えが無いのか、しばし首を傾げるラミア。
ピンと来ていないラミアの代わりにガイアが答える。
「あぁ『転送屋』か!! あいつすげぇ張り切ってたよな!! 魔王様から魔力の一部を分けて貰ったらしいが、人間のアイツに耐えられんのか!?」
「さぁのう。適合すれば『七幻魔』と同格の力を得られるじゃろうが、失敗すれば確実にモンスター化じゃな」
「フハハハッ!! どっちに転ぶか楽しみだなぁ!!」
「そうじゃな。む、話が長くなってしまった。そろそろ向かうとするかのう」
「マジそれ。つか、ポカリ街にも七幻魔の中から1人~2人向かわなきゃいけないんだっけ? マジどうする?」
「そりゃおめぇ……ジャンケンに決まってんだろ!! 負けた奴が第7位と一緒にポカリ街行きな!!」
「おっけ」
「うむ、よいぞ」
そう言って、七幻魔の3人は呑気にジャンケンをし始めた。
緊張感の欠片も無いやり取りだが、それは裏を返せば、自分たちが人間に負ける事などあり得ない……という絶対的自信の表れでもあった。
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