表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/263

24 聞きたいこと


「終わったぞ」


「わぁビックリした! テッドさん、急に瞬間移動で現れないで下さいよ!」


「急に現れるのが瞬間移動ってものだ。仕方ないだろ」


 俺はジャスパーとの戦闘後、瞬間移動を使ってポカリ街にいるステラとエレナの元へ戻った。そんな俺を……いや、俺たちを見て2人が驚いた表情を浮かべる。


「テッドさん……なんでジャスパーさんがここにいるんですか?」


 最初に疑問を口にしたのはエレナだった。気絶したジャスパーを連れてきたのがやはり気になるのだろう。ちなみに、いつもなら真っ先に驚いているであろうステラは、口を開いたまま唖然としていた。


「コイツには色々と聞きたい事があってな」


 そう言って、俺は水魔法を発動し、気絶しているジャスパーに水をぶっかける。


「がっは! げほげほ!」


「目覚めたか?」


「アンタは……あれ、なんで私生きて……」


 意識が朦朧とした様子のジャスパーだったが、徐々に思い出してきたのか、とろんとした目に再び殺意が宿る。


「お前ッ……どういうつもりだ! クソ、体が動かない!」


「雷撃で気絶させたからな。しばらくはスタン状態で動けないだろう。魔力もガス欠の今のお前じゃ、この状況は打開できない」


「そんな事聞いてないんだけど。クソ、さっさと開放しろ!」


「質問するのは俺だ。お前の質問に真面目に答えるつもりはない」


 俺は指に軽く電気を纏わせ、ジャスパーの肩に触れる。


「がぁっ!?」


「水浸しの体には電気がよく通るな」


 電撃でビチビチと魚のように跳ね回るジャスパーに、俺は他人事のようにそう言い捨てた。そんな様子を見てステラとエレナがドン引きしているのが見えたが、まぁ別にどうでもいい。


「お前に聞きたい事がいくつかある。殺されたくなかったら全部答えろ」


「アンタ、やり口が完全にテロリストね……」


「まず1つ。お前は魔王に言われて俺を捉えに来たと言っていたが、その理由はなんだ?」


「だから知らないって言ってんでしょ。魔王様からはアンタを捕まえて来いとしか命令されてないのよ」


「お前が選ばれた理由は?」


「それも知らない。私がたまたまポカリ街の近くにいたからじゃないの? 他の七幻魔がポカリ街の近くにいたらそいつがアンタを捉えに来てたかもね」


「なるほど」


 俺は再び電気を指に纏わせ、ジャスパーの肩に触れる。


「いっだぁ!! な、なんで……ちゃんと答えたのに……」


「大した情報じゃなかったからな、まぁ気まぐれだ」


 淡々とそう答える俺を見て、ステラとエレナの目が軽蔑の眼差しに変わっていくのが見えた。普段はギャーギャーとやかましいステラも、ドン引きしすぎて言葉にならないと言った様子。そんな2人を無視して、俺は質問を続けていく。


「魔王ってのはどんな奴だ?」


「知らない」


「……はぁ」


 俺が電気をバチッと出すと、慌てふためくジャスパー。


「ほ、本当に知らないんだって! 命令もテレパシー越しでしか聞かないし、直接会った事ないから知らないんだってば!」


「他の七幻魔も魔王とは会った事ないのか?」


「分からない。まぁ七幻魔の上位3人とかだったら、もしかしたら会ったことあるかもね」


「七幻魔にも序列があるのか。お前の序列は?」


「4位」


「はぁ、これが四天王だったら最弱だな」


 俺は電気を再びジャスパーに浴びせる。慣れてきたのか、段々とリアクションが薄くなってきたな。次はもう少し強めに行くか。


「調子に……乗りやがって……。アンタ、来たのが私でよかったわね。もし上位の3人が来てたら、アンタ今頃終わってたわよ」


「そんなに強いのか」


「えぇ、次元が違うわ。私と互角に殴り合うのが精一杯のアンタじゃ、どう足掻いても七幻魔上位3人には勝てない……」


 痺れて動けない分際で何故か少しドヤ顔してくるジャスパー。人の褌で相撲を取り始めたジャスパーの態度が少し癪に障ったので、また電気を浴びせてやろうと思っていると、突然ステラが口を開いた。


「殴り合い……? あれテッドさん、さっきの戦いでいつもの大剣使わなかったんですか?」


「あぁ」


「あぁって……七幻魔相手に舐めプですか……。まぁ、テッドさんらしいと言えばらしいですが」


「は、剣? ちょ、ちょっとアンタ! それどういう事よ!?」


 ステラとの会話を聞いて、思わず激昂するジャスパー。体が痺れてるのに元気だな。その元気に免じて、俺は質問に答えることにした。


「元より、お前にはこうして質問していく予定だったからな。うっかり普段の調子で殺さないように、今回は素手で戦う事にしただけだ」


「つまり私は……剣士相手に素手の対決で負けたってワケ?」


「そう言う事だ。まぁ気にするな、俺は素手でも十分強い。あそこまでやれただけ上出来だ」


「すみませんジャスパーさん。テッドさんってこういう人なんです。本当……デリカシーの無い上から目線のKY男なんですよ」


「一言なんてレベルじゃないくらい余計だな」


 何故か敵をフォローし始めるステラ。というか、ステラがいるとどうしても話が脱線しがちだな。相手にするのはこの辺にして、話を戻すとしよう。


「ちなみにジャスパー。もし俺を倒せたとしたら、その後はどうするつもりだったんだ?」


「アンタを拘束したら、一週間後に南ゴルゴン山でアンタを引き渡すことになってた。誰に引き渡すのかは聞かされてない。もしかしたら、さっき言ってた七幻魔の上位3人の誰かが来るのかもね」


 饒舌に話してはいるが、先ほどの戦いで俺が手加減していたという事実を知ってか、どこか意気消沈した様子のジャスパー。まぁコイツの心境などどうでもいいが、ここに来てやっと有益な情報が手に入ったな。


「南ゴルゴン山か。明日の朝にここを出れば、ちょうど一週間くらいで着くな」


「えぇ。まぁアンタを捕まえるのは失敗に終わっちゃったから、もう関係ない話だけどね」


「いや関係大有りだ。明日の朝、俺たちは南ゴルゴン山へ向かう。勿論、お前も一緒にな。ジャスパー」


「は? 何言ってんのアンタ」


 理解が追いついていない様子のジャスパーとステラ。

 俺はジャスパーとだけ目を合わせ、口を開く。


「ジャスパー、俺たちのパーティへ加入しろ」


 俺のこの一言に、ジャスパーだけでなくステラとエレナまでもが、目を丸くして驚いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ