全力
私は、高校一年生。
陽芽花って言うの。
入学そうそう綾乃ちゃんって子と友達にな
れたんだけど私酷いことしちゃって、謝る
にもタイミングを逃しズルズルきちゃって
る状態。
でも、いつまでもモヤモヤしてるの嫌だし
この際、きちんと謝って綾乃ちゃんと何で
も話せる間柄になりたい‼︎
「綾乃ちゃん!今日の放課後大事な話あるん
だけどいい?」
綾乃ちゃんは、うんって言ってくれた。
放課後…
「あのね、綾乃ちゃん…」
そういいかけると、突然綾乃ちゃんが
「陽芽花ちゃんごめん‼︎」
と謝ってきた。
? ? ?
ん?
私が謝るはずが、何故か綾乃ちゃんに謝ら
れてしまった。
「なんで?」
おそるおそる聞いてみた。
「本当は、中学の時からずっと大介君が好き
だったの。でも、陽芽花ちゃんに聞かれた
とき、とっさに嘘ついちゃって。それで…
それで…」
「うん。それ知っててわざと大介君にちょっ
かいだしてた。ごめん。」
「えっ?知ってたの?」
綾乃ちゃんは、びっくりしていた。
まさか、自分の好きな人バレてないと思っ
ていたなんて…
綾乃ちゃん…
「それを謝りたくてね。」
綾乃ちゃんは、うつむきながら言った。
「うん。わかった。で、これから大介君に告
白するんだね?」って。
え?
「違くて、好きじゃないのにわざとちょっか
いだしてたの…綾乃ちゃん多分大介君の事
好きなくせに好きじゃないって言ってたか
ら…」
綾乃ちゃんは、びっくりした顔をした。
「えっ‼︎じゃあ、大介君の事好きじゃないの
⁈」
って。
好きじゃない。ごめんなさいと謝った。
な〜んだ。ずっと陽芽花ちゃんは大介君を
好きなのかと思ってたっていいながら、ぺ
たんと床に座った。
「 じゃ、好きな人被ってない⁈」
うん。とうなずくと綾乃ちゃんは、涙を流
しながら、よかったと言った。
えっ…
私は、綾乃ちゃんを泣かせてしまうくらい
苦しめていたって事?
私の軽い一言がずっと友達を苦しめていた
なんて。
「ごめんなさい…本当にごめんなさい…」
今までずっと笑顔の裏にかなしみを秘めて
いたのかと思うと、どうお詫びしてもしき
れないくらいだ。
しかも、私が大介君を好きだと思ってずっ
と、自分の気持ちを押しつぶしていたって
事でしょ?
私は、なんて事を…
二人でたくさん涙を流した。
すべて私のせいだけど。
たくさん泣いたらスッキリしたなぁ。
さっきまで泣いていた綾乃ちゃんが今度は、
スッキリした清々しい顔をした。
綾乃ちゃん…
本当に心から反省した。
だから、綾乃ちゃんの恋を全力で応援しま
す‼︎
もうすぐバレンタイン。
大介君にチョコを渡したいと言うので、綾
乃ちゃんちで一緒にお手伝いする事になっ
た。
つくっている途中綾乃ちゃんに言われた。
「今までずっと大介君の事好きだと思ってた
から言えなかったけどうちのお兄ちゃんの
事どう思う」
と。
え、それは…
本当は、ずっとあれ以来気になっていたけ
どでも…
「あの、いいお兄さんだと思う。」
そう答えると、
笑顔でよかったって。
でも、なぜ…
詳しく聞きたかったけど、なんかうまく気
く事ができなかった。
恋をすると、意外と私は臆病になるのかも
しれない。
だから、綾乃ちゃんもあの時…
また、あの事思い出しちゃった。
全力で綾乃ちゃん応援しよ!
たくさん償おう。
そして、
少し苦戦したけど、上手にできた。
綾乃ちゃんは、お父さんとお兄ちゃんの分
って、家族のも用意した。
私もお父さんの分をラッピングした。
もう一つは、本当は綾乃ちゃんのお兄さん
に渡したかったけどそんなあつかましい事
できるわけなく、自分用に持ち帰る事にし
た…
お片付けも終わり、そろそろ帰ろうとした
時、ちょうどお兄さんが帰って来た。
こんにちは。
お兄さんに挨拶すると、
「いつも綾乃と仲良くしてくれてありがとう
ね。綾乃いつも陽芽花ちゃんがねってよく
お母さんと楽しそうにはなしてるんだよ」
と教えてくれた。
綾乃ちゃん。こんな私を家族に楽しそうに
話してくれてるいたなんて。
ありがとう。
しかも、お兄さんにも性格ブスの事言わな
いでいてくれているみたい。
じゃ。
綾乃ちゃんの家を後にした。
「陽芽花ちゃーん」
ん?
綾乃ちゃんのお兄さん。
私なんか忘れ物したっけ?
「はい?」
お兄さんに呼び止められて足をとめた。
「あのっ、チョ、チョコ忘れてるよ」
あー、二個とも忘れてた。
お兄さん帰ってきてテンパっちゃったかな。
恥ずかしい。
チョコを受け取ろうとしたら、
「オレが聞くのもアレだけど二個誰にあげる
の?」
なんて聞かれた。
「一つは、お父さんでもう一つは…」
自分とかなんか言いづらい…
本当は、お兄さんにあげたいけど。
綾乃ちゃんは、勇気を出して大介君にあげ
るんだ。
だから、私も綾乃ちゃん見習って頑張って
みようかな。
「あの、よかったらこれ受け取ってもらえま
せんか?」
お兄さんは、喜んで手を出したけど慌てて
てを引っ込めた。
「ごめん、なんか催促したみたいだからやっ
ぱり…」
と。
きちんと言わねば!
「あの、本当は大福丸々〜の時から気になっ
ていました‼︎」
そう思い切って伝えた。
オレもだよって抱きしめられた。
そして、付き合う事になった。
だから、綾乃ちゃんに報告した。
すると、意外な答えが…
「お兄ちゃん、はじめて陽芽花ちゃんみた時
から、陽芽花ちゃんの事かわいいって言っ
てたんだけど、大介君のこと好きなんだと
思ってたから、言えなくて…なんか大介君
あきらめてみたいになったら、アレだから
だから言えなくて。お兄ちゃんずっと片思
いしてたんだよ」
って。
あー、やっぱり自分で自分の首締めてたー。
私もお兄さんにはじめて会った時からずっ
と気になってたって言った。
やだ、私の変な気の使い回しで遠回りさせ
ちゃったって綾乃ちゃんが言った。
ぜーんぶ私のせいだからって笑った。
綾乃ちゃんもクスクスって笑った。
もう、嘘つくのはこりごりだ。
なんも嘘からいい事がうまれない。
バレンタイン綾乃ちゃんは、勇気を出して
大介君にチョコを渡した。
そして、二人も無事付き合いだしました♡