謝りたい…
私は、陽芽花。
高校一年生。
友達の綾乃ちゃんは、同じクラスの大介っ
て人の事を多分好きだ。
でも、そうじゃないと言われた私は綾乃ち
ゃんに意地悪をして大介って人にちょっか
いだしていた。
でも、中学の友達にその行為はやめた方が
いいと言われたので放課後きちんと謝ろう
と思う。
性格ブスなんて嫌だし。
「綾乃ちゃん、今日放課後人気の大福丸々〜
に行かない?」
そう誘うと、
「行きたい!行きたい!」
ってノリノリで返事をしてくれた。
大福丸々〜ってお店は、クリームとアイス
とフルーツが大福の皮に包まれている今大
人気のお店なんだ。
そこで謝って綾乃ちゃんに許してもらおっ
と。
そう思ってたんだけど…
お店大繁盛ですごい混んでる。
座るところなくない⁈
そう思ってたら、
「綾乃ー。」
どこからともなく男性の声。
声の方を見ると‼︎
ヤッバイ。
どうしよう。すっごいかっこいい。
綾乃ちゃんは、その男の人をみるなり
「あ、お兄ちゃんも来てたんだ」
って。
お兄ちゃん⁈
なんですって!
どストライク‼︎
でも、そんな事いまさら綾乃ちゃんに言え
ない…
だって、あんな事しちゃったし。
「席ないなら一緒にどう?」
お兄さんが私達を誘ってくれた。
一緒にいたお友達もどうぞと言ってくれた。
綾乃ちゃんにどうするって聞かれたから、
小刻みにうなずいた。
テーブルに座るととりあえずみんな軽く自
己紹介した。
そして、スイーツを堪能し始めたんだけど
綾乃ちゃんのお兄さんに
「それ、中に何が入ってるの?」
と質問された。
なので、
「タピオカとナタデココをトッピングに追加
したんです」
と答えた。
プッ
モチモチにモチモチを包んだんだ。
どんだけモチモチ好き?って笑われた。
お兄さんは、何をトッピング追加したんで
すか?って聞いたら
わらび餅だった。
あんたもモチモチかい!
みんなで大笑いした。
なんか、綾乃ちゃんのお兄さんいいな♡
一緒にいると楽しい。
でも、私にはそんな事言う権利ない。
しかも、例えばお兄さんが陽芽花さん彼氏
いるの?なんて綾乃ちゃんに家で聞いてい
たとしたらあの人好きな人いるよって言わ
れてしまう可能性大だ。だってまだ大介っ
て人の訂正していない。
しかも、それどころかあの女 性格ブスだ
よなんて言われていてもおかしくない。
私なら、お兄ちゃんがいてそんな質問され
たら絶対にそう答える。
万が一、その女がお兄ちゃんの彼女になん
てなったら、嫌だから。
私は、なんて事をしてしまったんだろう…
バカだなぁ。
とりあえず、スイーツを堪能して綾乃ちゃ
んのお兄さん達とは、さよならした。
なんか、謝るタイミングがうまくつかめな
い…
どうしようかな。
でも、もう帰る時間になっちゃうし言わな
きゃ。
「あのっ」
って言いかけた時、綾乃ちゃんの携帯が鳴
った。
「ごめん、でていい?」
「うん。」
綾乃ちゃんは、電話で用事を頼まれたらし
い。
急いで帰るみたいだったからそこでバイバ
イした。
あーあ、謝るチャンス逃したな…
まだ謝れてないけどとりあえず大介君に、
ちょっかい出すのをもうやめた。
で、これからは綾乃ちゃんの恋の応援をし
ようって心に決めた。
ま、綾乃ちゃんがはっきり言ってくれるま
では、こっそり応援する感じだけどね。
それからは、普通に友達としてお買い物を
したり、くだらない話で笑いあったり平凡
な毎日を過ごした。
あの事は、謝れていないまんまだったから
まだ心のモヤモヤは、微妙に続いている状
態だけどね。
でも、いつかきちんと謝りたいと思ってい
る。
それに、あんな嫌がらせしていたのにまだ
普通に友達として接してくれている綾乃ち
ゃんに感謝している。
私は、今まで自分の事ばっかり優先してき
た。
言いたいこと言って、いろんな人を傷つけ
て来たのかもしれない。
だから、きっと前の彼氏も私から離れて行
ってしまったに違いない。
バカだなぁ。私。
これから、どうしよっかな。
こんな私でも今から変われるかな?
ちょっと自分を変えてみようかな⁈
意地とか見栄とか捨ててさ。
ヨシっ!
続く。