本当は好きだよね?
私の名前は、陽芽花。ひめか
高校一年生になったばっかり。
中学のとき彼氏がいたんだけど、なんだか
知らないメスが彼氏を奪っていった。
ま、別にいいけどぉ。
他に男なんてたっくさんいるし。
私と別れるなんてバカな男がいたもんだ。
って事で今は、フリー。
カッコイイ男子を模索中。
どこかにいないかなーー。
イケメン君♡
そうそう。
クラスで早速仲良しになった友達がいる。
綾乃ちゃん。
とってもいい人っぽい。
まだ仲良くなって間もないんだけどなんか
そう思う。
だって、
私の話一生懸命きいてくれるし、あまり否
定とかもしてこない。
一緒にいると居心地がいい。
自己紹介で綾乃ちゃんと同じ中学だった男
の子がいた。
なかなかの好みだ。
早速綾乃ちゃんにリサーチを開始した。
「綾乃ちゃん。大介君と同じ学校だったんで
しょ?」
綾乃ちゃんは、少し驚いた顔をしていた。
なぜ? ? ?
「え、うん。なんで…?」
少し戸惑ってない?
「なんかさぁ、かっこいいなぁなんて!」
明るい声でニコニコしながら言った。
綾乃ちゃんは、いつもおっとり風だけど、
なんか今までと様子が違う。
「えっ。もしかして好きになった?」
綾乃ちゃんが戸惑いながら私に聞いてきた。
ははーん。綾乃ちゃん大介って男の子の事
好きなんだ。
だから、少しからかってみた。
「もしかして、綾乃ちゃん大介君の事好きな
んじゃないの?」
って。
そしたら、
「えっ、違うよ」って返して来た。
嘘つき。本当は、好きなくせに。
なんだか、腹が立って
「じゃ、私狙っちゃおーっと。」
って言ってしまった。
綾乃ちゃんは、黙ってうつむいた。
少しやりすぎたかな…
でも、綾乃ちゃんがちゃんと言ってくれな
いのが悪いんだからね‼︎
少し意地になっていた。
それからも、大介君が好きって言わない綾
乃ちゃん。
だらか、わざと綾乃ちゃんが近くにいる時
だけ大介って人に話しかけたりしてみた。
大介って人は、なんだか雰囲気が綾乃ちゃ
んと似ている。
だから、からかいやすい。
ツンってつっつくと、
「やめてよー」って言う。
面白いから、つい大介って人をからかって
しまう。
綾乃ちゃんと大介って人は、同じ学校だっ
たのに、そんなに話さない。
お互い大人しくて照れ屋さんなのだろう。
私が、好きになっちゃうよ?とか、こうや
ってツンってしてる事とかなんとも思わな
いのかな?
本当に付き合ってもいいと思ってんのか
な?
はっきり言ってくれないとわからないんだ
けどなぁ。
私なら、友達に好きってはっきり言っちゃ
うんだけどな…
大介って人は、いい人そうだけど彼氏にす
るには、物足りない気がする。
だから、好きじゃないけど綾乃ちゃんには、
まだ言わないでおこっと。
クラスには、私と同じ中学だった女子が二
人いた。
そのうちの一人、真奈子に
「あんたさぁ、大介君の事好きじゃないのに
わざとちょっかいだしてない?綾乃ちゃん
ってもしかして大介君の事好きなんじゃな
いの?」
って。
やっぱり、側から見ても綾乃ちゃんが大介
って人好きなのわかるよね⁉︎
だから、言ってやった。
「綾乃ちゃん多分大介って人の事好きだと思
うよ。だから?」
って。
そしたら、
「知っててあんなちょっかいだしてたの?」
って言われた。
「うん。だから何?」
悪びれた様子もなく聞いた。
「あんたさぁ、そこそこかわいいけど性格悪
過ぎない?」
と。
はい。よくご存知で‼︎
でも、これが私なので。
「まぁねぇ。」
そう言うと
え、なんなのあんた。
みたいな顔で見られた。
顔を直接見たわけじゃないけど、視界に入
ってきた。
はいはい。
ウザいんですけど〜みたいな感じで髪を触
った。
そしたら、
「性格ブスは、一番見苦しいよ。友達だと思
ってるから、言ってあげてんだからねっ」
って。
はぁ、性格ブスか…
あんまり周りにそんな人いなかったから、
自分がどう思われてるかなんて考えもしな
かったなー。
ふーん…
じゃあ、もうあんな事するのやめよっかな。
大介って人の事好きじゃないし。
しかも、性格ブスって嫌な響き。
じゃ、
綾乃ちゃんを応援するか。
そう思ってこころを入れ替えようとした矢
先の事だった。
続く。