4、プロローグ4
つおい(^ω^)
「ーーーーお前と俺は拳と剣で分かり合えたんじゃないのか?」
「ーーーーお前がいると俺が目立たないだよ!!!」
「ーーーーーッッッッッーーーガハッッッッッ??!!!!」
剣聖ブレイドに斬りつけられる……。
「ーーーーー拳と拳を交えて………腹を割って分かり合えたんじゃないのか?」
「ーーーーーー機械の拳で私を超えやがって格闘家の誇りを汚したお前を許せる訳ねぇだろ!!!」
「ーーーーーッッッッッーーーーゴフッッッッッ??!!!」
拳法家エミリアに腹を殴られる………。
「ーーーーーお前の矢は………平和な世界を作るためにあるんじゃないのか?」
「ーーーー私だって………本当はこんな事したくない…………だけど、世界の平和のために死んで黒鉄」
「ーーーーッッッッッ」
射手ルフは矢を放つ、俺の顔の横に突き刺さる、少し掠っていたのか、血が垂れる…。
「ーーーーー魔法で平和な世の中を発展させるのが、望みじゃなかったのか?」
「ーーーー少し違いますね、魔法を発展させるために多額の金が必要でした、そのために魔王軍討伐なんて面倒ごとを引き受けたんですよ………けどこのままでは貴方が一番報奨金をもらってしまうかも知れませんからねーーーー『ファイアーボール』!!!!!」
「ーーーーッッッッッーーーあッッッつ!!!?」
賢者カイは俺に火球をぶつける、無論嬲るために威力は抑えめだ……。
「ーーーーブレッド、お前と俺はダチじゃなかったのか?」
「ーーーー黒鉄、俺はお前を愛していた………なのにお前は俺を裏切ったんんだ!!!」
「ーーーガハッッっ??!!」
重戦士ブレッドのハンマーで押し潰される……。
「ーーーーーお前も、もう仲間じゃないのか?、スレイ…………?」
「ーーーーーー…………しだって」
「え?」
「ーーーー私だって本当はこんな事はしたくなかった!!、だけど………貴方が教えてくれたんだ…………【死神】と呼ばれ、血を血で洗うそんな殺し屋の私に言ってくれただろ?!!、過去に数千の人を死に追いやった事を悔いているなら、未来で数万でも数億でも人を生かせば良いだけだろって……………だから私は貴方を殺してでも………ーーーーーー私にとってかけがえのない、黒鉄という親友を殺すことで…………魔族と人族の和平という、今までにはあり得なかった平和をこの世界にもたらす!!!!」
「…………そうか………自分が蒔いた種ってことかよ……」
「ーーーーッッッッッ、さようなら!!!!」
暗殺者スレイは今までの奴らとは違い、豹変することはなく、今まで通りの性格だった………彼女は俺に別れを告げると部屋から嗚咽を漏らしながら去っていく…………。
その後、俺と魔王は仲間達から痛ぶられる、賢者と射手には魔法と矢の的にされたり、剣聖には鱠に刻まれ、勇者パーティーの俺以外の七人、勇者を守護する七英雄と呼ばれていた仲間たちに死なない程度で痛めつけられる………正確にはスレイを除いた五人だが………。
魔王も似たようなものだ、俺同様瀕死の魔王を倒したと思っていた魔界七将達で次々になぶっていく、残忍な笑いを携えて………。
そしてそれを尻目に愛し合うお互いの恋人、俺たちに見せつけるように愛し合う………。
「ーーー他人に見られながらするのは中々に気持ち良かった、それが元婚約者なら尚更……」
「ーーーーそうですね、アモン様♡」
「ーーーー………か?、それは………全員………の………総意……なのか?」
「…………冥土の土産には丁度いいか、そうだ、魔界七将は勿論、魔族全員だ」
「…………そうか……ーーーー『ファイアーボール』!!!」
「ーーーおっと、そんな攻撃が当たるとでも、下級魔法で帝級魔法並みの威力を出すのは流石の一言ですが……そろそろトドメーーーーな、何だ?!!?何をした?!!」
「ハ、この城の主人は誰だと思ってる?………今、我が壊した柱には魔法が仕込んである、我の『ファイアーボール』が当たった時、城内の重要な柱全てを叩き折るための魔法がな………」
「ーーークッッ、悪あがきを!!!」
エヴァはファイアーボールを撃ち込むも相手は軽々避ける、しかし最初から狙いは柱の方だったらしく、魔王城は崩れ始める………。
「ーーーー早く逃げましょうアモン様!!」
「わかったーーーー瓦礫に押し潰されろクソ女」
俺のパーティーメンバーと魔界大公は逃げていく………。
「…………フ、一矢は報いたか………」
彼女の頭に瓦礫が降ってくる、諦めたように目を閉じるエヴァ………。
「ーーーーー勝手に死のうとしてんじゃねぇ!!!!!」
「ーーーー黒鉄?!!、な、何も喋らないからすでに死んでいるものと思ってたぞ?」
瓦礫を受け止め支える俺、驚愕するエヴァ。
「ーーーッッッッッだりゃああああ!!!ーーー逃げるぞ!!足は俺が補ってやる、道案内は頼む、城崩壊なんてベタな仕掛けがあるんだ、脱出口ぐらいはあるんだろ?」
「………お前には敵わんな………」
瓦礫を何とか押し退け、足がない、というか俺が吹っ飛ばしたので歩けないエヴァを抱え、彼女の案内通りに崩れる城を走り回る。
ーーーーーーーーーーーー
「ーーーーハァッッッ、ハァッッッ、ハァッッッッッ、何とか助かったな………」
「………………そうだなーーーーゴフッッッッッ?!!?」
何とか崩壊する城から脱出することに成功する俺達…………。
「ーーーーど、どうした?!!?」
「…………どうしたもこうしたもない、聖剣を腹に貰ったのだ………我はもうすぐ消えーーーー」
「やらせるかよ!!!、『千変進化、大天使竜』!!!」
『我望む、大天使の祈り、大天使の解呪!!!』
「ーーー聖剣の魔力が……消えた?」
「アンタにとっては呪いのようなもんだからな、回復が得意な竜へと進化したのさ」
「………なるほど、そういえば進化機竜マルスナルの素材を使っていると言っていたな」
俺はスキルで大天使の羽を持ち、回復スキルが得意な上級竜と進化、魔王に残っている聖剣の退魔の力を霧散させる……。
「…………俺達裏切られたのか………」
「嗚呼、我は世界の人口の半分の種族、魔族に………お前はもう半分の人族に………」
「…………勝手に運命押し付けて……用済みになったら捨てる…………ふざけんな、このままで済ましてたまるか………なぁ、魔王ーー、いやエヴァウルトス、アンタに頼みがある」
「ほう、やはりお前とは気が合うな、我もお前に頼み事をしようと思っていた」
「ーーーーそりゃいいや、なら一斉のせで二人一緒にに頼もうぜ」
「それは面白そうだなーーーでは、いっせいのせーー」
「「世界の全ての人族をくれてやるから、世界の全ての魔族を皆殺しにする手伝いをしてくれ!!!!!!!!」」
「……………フ、やはり私達は影と光というべきなのか……対極だからこそ一番近しいらしい」
「ーーーそうみたいだな」
「「ーーーーその頼み、引き受けた!!!」」
その日、人族最強の勇者黒鉄ジャンクと魔族最強の魔女王エヴァウルトスは手を組んだ……。
つおい(๑╹ω╹๑ )