思い出
夏休みが終わって、学園祭が来て、あっという間に冬休み!
あー、一年早すぎる!
結美「年末年始は恒例の出雲大社?」
絢愛「うん!びゅーん出雲!」
結美「じゃあ、絢愛が帰ってきてから一緒に初詣行こうかなー。」
絢愛「いいよ!多分2日には帰ってくるよ!」
結美「じゃあ2日の夕方くらいで大丈夫?」
絢愛「うん!おみくじ、大吉出すまでやろうね!」
結美「一回だからこそいいんじゃないの?」
絢愛「ううん!大吉を引き寄せて、幸運も引き寄るためにやるの!」
結美「わかった。一回で出るように今から運溜めとこ。」
絢愛「そうだね!」
結美と一緒に携帯で運の溜め方を調べながら家に帰り、私は家に着くと明後日行く旅行の準備をする。
ママ「絢愛、また大きいコロコロに荷物入れてる。そんなにいらないでしょ?」
ママが少し呆れながら、小さめのキャリーケースを持ってくる。
絢愛「だって全部必要だよ?」
ママ「え?この人生ゲームいつするの?」
絢愛「旅館行ったらみんなで遊ぶんだよ!」
ママ「…トランプだけならいいわよ。」
絢愛「なんでー?」
ママ「そんなに持っ…、結美ちゃんにあげるお土産入らなくなるかも??」
ママが可愛く首をかしげる。
絢愛「あー!そっか!じゃあやめとこー!」
私はボードゲームを片付け、スペースを空ける。
ママ「このくらいならこっちに入るんじゃない?」
ママがなぜか小さいキャリーケースをオススメする。
絢愛「お土産たくさん入れるから空けたんだよ?」
ママ「うーん。ま、しょうがない。服と下着はちゃんと入れとくのよ。」
絢愛「はーい!」
私はお気に入りの服を入れていく。
7泊8日だけど着たい服あるから10日分の服を詰め込む。
絢愛「これで準備万端!」
と思ったが、明日結美とデートで着る服も入れてしまった事に気付き慌てて掘り返し、目的の服を取りまた詰め込む。
真っ白なニットワンピースをハンガーにかけてリビングに夜ご飯を食べに行った。
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今日はクリスマス!
結美とは毎年過ごしているけど、恋人としては初めてでなんだかウキウキしてる。
私は最寄りの駅のちゃっちいクリスマスツリーの前で結美を待つ。
結美「絢愛、おまたせ!」
と小走りで結美が走ってくる。
お揃いの白いニットワンピースを着ている。
絢愛「よし!今日は夢の国楽しむぞー!」
「「イエーイ!」」
2人で電車に乗って、夢の国に行く。
学園祭で出店採点一位になった私たちのクラスは、全員に一枚夢の国のチケットを貰った。
やっぱり行くならイベントがある時期に行こう!ってなってクリスマスまで我慢してたんだ。
夢の国に着き、2人で軽く走りながら園内を回ってアトラクションや限定ポップコーン、パレードを楽しんでいるとあっという間に真っ暗になった。
結美が行きたいといったお城の中ではガラスの靴やキラキラ光っているキャラクターの置物がたくさんある。
結美「ここってこれにも彫ってくれるかな。」
結美が化粧ポーチから、沖縄でもらったラムネのビー玉を取り出す。
絢愛「私も持ってる!1人1つ買ったらやってくれるかな?」
結美「…ちょっと高いね。」
絢愛「…本当だぁ。」
2人で悩んでいると、近くを通ったキャストさんに声をかけられる。
「どうされましたか?」
絢愛「このビー玉に職人さん彫ってくれるのかなって…。」
「良かったら聞いてきますよ!」
絢愛「え!」
「「ありがとうございます!」」
結美と声が揃う。
キャストさんがお店に入り、私たちの事を職人さんに伝えてくれる。
職人さんは顔色変えずにずっと頷くだけだった。
結美「どっちだろ…?」
絢愛「分からないねー。」
するとキャストさんが小走りで私たちがいる外に出てくる。
「料金はかかってしまいますが、OKみたいです!」
「「ありがとうございます!」」
キャストさんは笑顔を絶やさずに去っていった。
私たちはお店の中に入り、提示されたお金を払い今日の日付と2人の名前を彫ってもらう。
すると、出来上がったものには私たちが掘っている間好きと話していたキャラクターまで彫ってくれた。
絢愛「えー!いいんですか!?」
「はい。あなた方の笑顔のためです。」
と職人さんは微笑んだ。
カッコいい!
結美「ありがとうございます!」
絢愛「カッコいいです!ありがとうございます!」
2人でお礼を言ってお店を出る。
外に出て少し歩き後ろを見ると、ライトアップしたお城が見える。
絢愛「わぁー!雪降ってる!」
雪の映像がお城に映し出されていて、そこだけ雪が降っているように見えた。
結美「写真撮ろ!」
絢愛「うん!」
携帯のカメラアプリを起動して、内画面にする。
結美がさっき彫ってもらったビー玉を自分の目尻近くに持っていく。私もそれを真似する。
結美「1、2の1位!」
結美独特の掛け声に合わせて、私も笑う。
数枚撮り、結美が私に写真を送ってれる。
結美「最高の思い出だね。」
絢愛「だね!一生忘れない!」
結美「認知症になっても?」
絢愛「写真もビー玉もあるもん!大丈夫!」
結美「そうだね。これからもっとたくさん思い出作ろうね。」
絢愛「うん!まずは初詣で大吉だね!」
結美「そうだね。」
私たちは夜のパレードを見て家に帰った。
最高のクリスマスを過ごして次の日、家族で出雲大社に行くため空港に向かった。