観光
商店街でソーキそばを食べたり、ジェラート屋さんでアイスを食べたりしてお昼が過ぎる。
絢愛「あ!食べてばっかりだ!海行こう!」
結美「そうだった!」
2人早歩きでホテルに帰り、水着に着替えて上に簡単に着れるノースリーブのワンピースを着る。
絢愛「サンゴ取ろうっと!」
結美「サンゴって取っちゃダメなんじゃないっけ?」
絢愛「そうなの!?じゃあ貝殻集めしよっと!」
ホテルを出てすぐの海岸に行くと、まばらに人がいる。
絢愛「青ーい!さすが沖縄!」
結美「そうだね!」
2人で海に入り遊んでいると、何か足に引っかかる。
結美「どうしたの?」
絢愛「…ゴミが足に絡まってた。」
結美「あ、貝殻用に袋持ってきてたからそこに入れよう。」
絢愛「うん!」
結美が手渡してくれたビニール袋に足にひっかかったひも状のゴミを入れる。
どこかの誰かさんが捨てたのか、それとも風で飛んで海に落ちてしまったのか分からないけれど、なんだか残念な気持ちになる。
結美「どうした?」
絢愛「なんだか残念だなって。」
結美「…うん、そうだね。…砂浜散歩しながらゴミ拾いと貝殻集めする?」
絢愛「…する!」
結美はいつだって私の気持ちを汲み取ってくれる。
ゆっくり30分くらいかけて砂浜を散歩し、ビニール袋パンパンのゴミが集まった。貝殻は10枚くらい。
絢愛「せっかく綺麗な海なんだから、もっと可愛い貝殻落ちてた方がいいのになぁー!」
結美「おじいちゃんとおばあちゃんの時はもっと貝殻いっぱいあったみたいだよ。」
絢愛「そうなんだ…。カムバック、カラフルシェル!」
私は海に向かって叫ぶ。
結美「…こうやって見てると、本当に汚しちゃったんなって思うね。」
絢愛「そうだね。これからもっと気をつけよう!」
結美「うん!」
私たちは喉がカラカラになったので、ホテルに戻って部屋にある備え付きのウォーターサーバーで喉を潤す。
絢愛「美味しいっ!」
結美「うん!室内最高!」
外は39℃の猛暑、歳を取るごとに夏が早く長くなった気がする。
時計を見ると15時を過ぎてる。
絢愛「ご飯って何時からだっけ?」
結美「えー…と、19時からだよ。」
結美が携帯を見て確認してくれる。
絢愛「どうする?もう一回外行くか、ホテルの大浴…あ!」
結美「びっくりした…。何?」
絢愛「岩盤浴、ここにあるよね?」
結美「あー、あるね。行こっか?」
絢愛「行こー!」
私たちは着替えを持って、大浴場と隣接している岩盤浴に向かい2時間くらい過ごした。
暑い中で冷たい水を飲むのが最高に気持ちいい!
その後、大浴場で汗を流す。
結美「いつもシャワーだけだから新鮮だね。」
絢愛「そうだね!ここのホテルに永遠に居たい!最高過ぎる!」
結美「そうだねー。災救のテスト終わったらまた来ようよ。」
絢愛「そうだね!2人で受かるように頑張ろ!」
結美「…うん!」
岩盤浴・大浴場を堪能して、フロントで貰った一杯サービス券をドリンクカウンターで交換し、ラムネを2人で飲む。
絢愛「甘い!いつにも増して甘いね!」
結美「今日で一年分の毒素流れた気分。」
絢愛「そうだね!結美の顔、シュッとしてる気がする。」
結美「やったね。ダイエット成功!」
ラムネのビー玉を記念に持ち帰ろうとしたら、店員さんがサービスで名前を掘ってくれた。
絢愛「うわぁ!綺麗!」
結美「すごい細かいね!」
絢愛「このヤンバルクイナの羽凄いね!」
結美「すご!私はイリオモテヤマネコだった!」
絢愛「え!ヒョウ柄細かーい!」
2人でビー玉を眺めながら部屋に戻った。
戻って少しするとホテルの人がご飯を持ってきてくれた。
昔は大きなホールでご飯を食べることが主流だったらしいけど、流行り病があってから特別なことがない限り部屋の中で食べるのがどこも当たり前になった。
私が生まれるちょっと前から流行ってたらしくて、
私のお産の時、ビニールを仕切りにしてパパは立ち会ったらしいけどママすごい心細かったって。
それでも感染予防をしてくれたおかげでママも私も今こうやって元気でいられることに感謝しないとね。
絢愛「パイナップルおっきぃ!」
私は食事よりもフルーツ盛りにドテン!と乗っているパイナップルに目がついた。
結美「ご飯が先だよー。」
絢愛「はーい!」
ご飯は和食で、お品書きには色々と魚の名前と写真が乗っていたけどなんだかよく分からなかった。
けど、美味しいってことは確実!
とろっとろのお刺身を味わいながら結美とのんびり会話をする。
明日で帰るのはとても惜しいけど、
災救に受かって、また結美とここに来てたくさん遊ぼう。
そのためにもお金稼がないとね。
また陸上も頑張らなくっちゃ。
もう次来る時のことを結美と話し始める頃には夜ご飯を食べ終わり、ベランダで冷えたフルーツ盛りを食べながら夜空を2人で見ることにした。