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戦士ステラ   作者: 安田けいじ
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ユウキとステラ②

「ステラ、あれだけでも、サファイヤ星の人類は死滅するぞ!」 


「破壊するしかないわ。急ぎましょう!」


 二人は、超大型エネルギー弾や、エネルギー波を駆使してカロン星の中心核に挑んだが、

完全に破壊するまでには至らなかった。


「なんて頑丈なの! これでは、間に合わない……」


 ステラが、攻撃の手を止めた。



 サファイヤ星では、全世界の人々が、ユウキから送られてくる映像を、固唾をのんで見ていた。


「お父さんとお母さんが戦っているわ。サファイヤ、よく見ておくのよ」


 ライト王国の王宮でも、アトリアとアンドロメダがサファイヤを抱いて見守っていて、

サファイヤの黒い瞳が、ユウキとステラの動きを追って盛んに動いていた。


「あれを破壊出来ないと、あと、数時間で、この星は終わるのね……」


「お母さま、ステラ達なら必ずやってくれるわ!」


 アトリアが、自分にも言い聞かせるように言って、アンドロメダの手をぎゅっと握った。



 宇宙では、カロン星の中心核を破壊出来なかったユウキとステラが、頭脳をフル回転させて攻略法を探していた。そして、顔を上げると同時に叫んだ。


「「スーパー羽衣!」」


「今の私達の力を合わせたフルパワーのスーパー羽衣なら、通常の十万倍の破壊力がある。きっと、粉砕出来る!」


「宇宙では、空気抵抗が無い分、更にパワーは増すはずよ。時間が無いわ、急ぎましょう!」


 ユウキとステラは、ムミョウの怨念と化して驀進する、カロン星の中心核の前に躍り出ると、二人の力を合わせて、直径一キロはあろうかという巨大なスーパー羽衣を起動させた。


「ステラ、サファイヤ星を救う為、この攻撃に全てを賭けるぞ!」


 ステラはコックリと頷いて、ユウキの手を握った。そして、巨大スーパー羽衣は、カロン星の中心核に激突していった。


 ズゴゴゴゴゴゴ――!!!


 スーパー羽衣と、中心核の岩盤が激しくぶつかり合い、物凄い衝撃と振動が二人を襲った。一気に突き抜けられると思った岩盤が硬すぎて、巨大スーパー羽衣の前進を阻んだのだ。


「パワーは既に限界を超えているぞ!」


「このままでは、間に合わないわ!」


 スーパー羽衣に全パワーを投入し、限界を超えた二人のスーツは、オーバーヒートして、シューシューと煙が出始めていた。


「ステラ!」


「ユウキ!」


 二人が、互いを呼び合い、手をしっかと握りあって、死を覚悟したその時だった。



「負けないで!!!!!!!」



 サファイヤ星の十億の民の叫び声が、雷鳴のように二人の心を揺さぶったのである。


 そして、アンドロメダ、ロータス、レグルス、アレク、ストレンジ、サルガス、サファイヤの笑顔が鮮やかに彼らの頭に浮かんだ。


 その刹那、ユウキとステラの心の奥底の扉が開かれ、途轍もない生命エネルギーが二人の身体に満ち溢れた。


「負けるもんですか!!!!」


「負けてたまるかーーっ!! ウオオオオオー!!!!」


 ステラとユウキが叫び、二人のスーツから凄まじい黄金の闘気が噴出すると、巨大スーパー羽衣が唸りを上げて岩盤を粉砕し、猛然と前進を始めたのである――。


 そして、岩盤の中心部に到達した瞬間、一気にスーパー羽衣を膨張させると、カロン星の中心核は、ムミョウの幻影と共に、木っ端微塵に吹き飛んだ。


 ズドドドドーン!!!!!


 振り向くと、すぐ近くにサファイヤ星が青い姿を見せていた。


「危機一髪だったな……」


「これでムミョウの怨念も消え、サファイヤ星は救われたのね」


 二人は、手を握り合ったまま、カロン星の中止核の残骸を眺めながら、暫し感慨に浸っていた。



「さあ、もうひと仕事だ!」


 ユウキとステラが、カロン星の残骸を掃除しようと思った、その時だった。


 絶対零度の青い光線と、百万度の巨大火炎弾が、何処からともなく放たれて、星の残骸を悉く粉砕したのである。


「まさか? フレア、ルナ、お前達なのか!?」


 驚くユウキ達の前に、フレアとルナが、その雄姿を現した。


『貴方達の、自身を犠牲にしてでも世界を救わんとする強い心が、私達を蘇らせたのです』


 フレアとルナの声が響くと、


「お前達、本当に良く戻ったな。僕達も嬉しい……、ありがとう」


 ユウキとステラは嬉し泣いて、彼女達に抱き着いた。


「?……ちょっと熱いかな」


「私は凍えそう……」


 二人は慌てて彼女達から離れて「ハグは後でね」と言って、笑いだした。



 ユウキは、シールドの中へステラを導き入れると、強く抱きしめ、熱いキスをした。


「宇宙の真ん中でのキスシーンもいいもんですなー」


 宇宙船から見ていたサルガスが、レグルスとそんな冗談を言いながら、抱き合う二人を見守っていた。


 その様子を見ていた、サファイヤ星の人達から大歓声が上がった。彼らは、シェルターから走り出て空を見上げた。そこにカロン星の姿は無く、吸い込まれるような青空が、どこまでも広がっていた。


 ユウキは、レグルス達を先に返すと、彼女に言った。


「ステラ、サファイヤも待ってるだろうけど。せっかくだから、銀河を見に行こう」


 二人は、ワープすると一気に銀河系を飛び出して、自分たちの住む渦巻銀河の全体が見えるところまで飛んで振り返った。


「なんて綺麗なの! 星の宝石、宝石の大河ね……」


 視界いっぱいに広がった銀河を見て、ステラが感嘆の声を上げた。


 二人は、寄り添って言葉もなく見とれていた。


「この中に、いろんな人類が住んでいるのね。人間は本当にちっぽけだけど、不思議な存在でもあるのね」


「うん、僕も、感じた事だけど、一人の人間に、この大宇宙の全てが収まっていると、ロータス様が言っていたよ」


「この銀河を見ていると、なんだか、分かるような気がするわ。私達の命はかけがえのないものなのね」


「そう思う、これからの人生、大事に生きようよ。この映像をみんなにも見せてやろう」


 二人の後ろには、無数の星雲が大宇宙の果てまで続いていた。


「さあ、帰ろう。サファイヤが待っている!」


 ステラとユウキが、サファイヤの待つ故郷に向かって進路を取ると、二つの黄金の流れ星は、銀河の星屑の中に溶け込んでいった。   

                                     完

  

最後まで有難うございました。

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