プロローグ
始まりたい(願望)
中古ゲームというのには妙な魅力がある。
往年の名作といわれる物は次世代ハードの登場にも負けず、ゲームショップの中古コーナーでは周囲の最新ソフトにも負けない高値がつけられていることもある。ましてやそれが絶版品であったりしようものなら、プレミアがついてとんでもない値段になっていることもざらではない。
ストーリー、ゲーム性、様々な要因があれど名作というものにはやはり色あせない『何か』が存在し、年を経てなお様々な世代を魅了する。
と、ここまで述べたことは忘れてもらって構わない。
ここから先に行われるのは、ただの学生のバカ騒ぎである。名作であろうが何であろうが、それは所詮ゲームであり、実際にそれを極めることが何かにつながるかといえばそうでもない。
その道で食っていくというのは制作側というのが大半であり、それもいばらの道。ましてやプレイする側の人間がゲームで生きていくのはそれこそ一握りの天才であり秀才だ。
これは朽ちていくゲームに魅せられた男が、極めても意味がないと知りながらその道に足を突っ込む話。青春を棒に振るという言葉が当てはまるいばらの道に、嬉々として足を突っ込んでいく阿呆たちの話。