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光れ透明溶液よ
透明のインクは
赤や紫色に簡単に染まり
その色を段々と濃くする
呑気なのか真面目なのか
ズルをしているのか
まだ
分からないけれど
知っている者がいるとするならば
それは
あの青い大空でにっこりと笑う
光だけだろう
たまに抜け落ち
人よりも
心の色が乱雑で
何も分からない
誰がこの者の心を読んでしまうのか
そんなときが
はたしてくるのだろうか
何も分からない
窓から光が差しこんで
風が吹抜け
その一瞬光り輝いた時
その光景は
一度も見たことも聞いたこともない
そんな素敵な物が
あなたの繊維に刻み込まれる