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自由なかげぼうし
森に住み着き
川の音を聞き
動き回り
太陽を浴びる
飛んで飛んで飛んで
日が沈む
あのさみしく
沈む夕焼けを恋しく思うように
山がなく
そして月明かりが差し始める
その明かりを吸い込むように
真面目に見つめる
本当はふざけても吸い込むことのできる
あの光を
右往左往とする中で
あの木にはかげぼうし
流暢に繊細な糸を結び
ちょろちょろたくさんの長い糸を垂らし
駆け回る
駆け回った先には
名のあるものもないものも
言葉を残す
寛大で
莫大な麦わら帽子