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「じゃあの…」



 最後の一撃は、切ない。

 横たわり息も絶え絶えのウルドッグの最後の一匹に止めを刺す。

 …どうにも呪術関連はセンチメンタルな気分になるな。


 だが、それ以上に拍子抜けだ。

 まともに戦ったのは最初の三匹くらいだし!

 こう、もうちょっと面白い戦いになると思ったが…

 病魔の風…ちょっと強くない?



「生物相手ならヤバイな、これ」



 正確には病気の状態異常だけどな。

 効果は…恐らくマスクデータのスタミナ辺りが激減するんだろう。

 このゲーム、走ってると息とか上がってくるし…

 恐らくそこら辺を管理してる値に影響が出る奴だと思う。

 結局最後までHPの減少は見られなかったしな。



(コマンド使用により、風魔法のレベルが上昇しました!)

(コマンド使用により、土魔法のレベルが上昇しました!)

(コマンド使用により、呪術のレベルが上昇しました!)

(条件達成により、取得可能アビリティに体術が追加されました!)



 よっしゃ、レベルアップだ。

 しかし、あれだけの敵じゃあキャラレベルは上がらないか…

 まぁ、ある意味当然とも言えるけど…

 だって2レベルから3レベルに上がるにもこの草原の雑魚を20匹くらい狩らなきゃいけなかったし。

 ウルドッグの経験値はかなり多いが、10レベルとなると物足りないだろう。

 だから、ぶっちゃけこれからも無視で良いのだが…



「クソ!納得いかねぇ!」



 体が戦いを求めてやまない。

 せいぜい様子見とか足止め程度に考えていた病魔の風が強すぎた。

 もっとこう…色々考えていたんだけどな。

 車止めみたいにアーススパイクとか使ったり、そのスパイク目掛けてプッシュエアロで打ち上げて串刺しコンボとか…

 とにかく相手の連携を乱しながら、確実に一体一体葬っていくスタイルを…!



「それに…体術ねぇ…?」



 今現在、取得に必要なポイントは…驚愕の8だ。

 かなり多い…刻印撃と同等だっけか?

 今取得するのは躊躇われるな。

 だが…途轍もなく欲しい!

 短剣と体術とか…リーチの短い武器だからきっと活きると思うし。

 更に、更にだ。



「これ、減らせるんじゃ…?」



 破邪も色々と行動している内に取得ポイントが段階的に下がっていった。

 呪術は良く分からんが最初から取得ポイントが下がったし。

 となると、これは新規に取得可能になったアビリティに共通しているのでは…?

 恐らく条件も、それに関連する行動だ。



「魔物に出会ったら試してみるか」



 ぶっちゃけて物凄く練習したい…

 しかし本来の目的は…?

 うん、確か……消臭剤探しだ。

 なんかいい感じに悪臭を誤魔化せる物を探す予定だったな。

 そのついでに色々とやるのはいいけど、本筋を忘れたらいけないよな。

 探すついでに、ちょっとだけ狩りをして進もう。




 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 …とか決めて歩いていた数分後。

 あっさり森の周辺でウルドッグ6匹とエンカウントした。

 どうやら俺は西の大森林に向かって進んでいたみたいだな。

 ってそんな事はどうでもいいか。

 今度は病魔の風を使わずに戦っている。

 というか呪術コマンドを一切使っていない。

 先程まで練っていた集団戦プランを試しているからな。


 …投擲とウインドカッター、ストーンショットで先制攻撃。

 プッシュエアロとアーススパイクで足止めと分断。

 向かってくる奴は一体一体丁寧に捌いていく。

 生憎と攻撃力の高い武器だから、刃を立てるだけで倒せるのも楽でいい。

 時折、短剣のコマンドも隙無く交えてみて調子を確認してるけどな。

 今はコマンド無しの一撃で沈むからいいものの、普通はコマンド攻撃無しなんて有り得ないし。

 攻撃力が段違いだしな。



「オラオラオラオラ!!」



 で、今は何をしているのかと言うと…

 残った最後の一匹をオラオラしている。

 類義語は無駄ァ!だ。

 勿論、体術のポイント軽減狙いである。

 しかしここで石のナックルダスターが役に立つとは思わなかったな。


 痛いものは痛いが、それでも素手で殴るより与ダメージは増えて被ダメージは減るだろう。

 まぁ被ダメージと言っても実際にHPバーが減るわけではないんだが…

 殴ってる感覚として痛覚が刺激されるんだ。

 痺れるような、拳の感覚が無くなるような感覚が辛くて…

 一番辛いのは、こうして実験台になっているウルドッグ君だろうけど。

 そこは気にしない。



(コマンド使用により、短剣のレベルが上昇しました!)

(条件達成により、体術取得時に消費するアビリティポイントが少し減少しました!)



 で、戦闘が終わったのだが…

 かなり痛い思いをしても、体術の取得ポイントは8から7に減っただけだ。

 思ったより割に合わない…

 …ってあれか?

 体術ってくらいだから、殴る以外にも蹴りとか投げとかも必要なのか?



「はぁ…」



 何だか気が重くなってくるな。

 ウルドッグたちのドロップ品は軒並み品質が悪いし…

 さっき取れた肉なんて内出血が酷くて味が悪いってよ!

 殴ってた奴のだから当然っちゃあ当然だけど…


 それにここに来るまでの採取でもほぼ雑草とクズ石くらいしか採れてない。

 過剰採取のせいで品質が悪いどころか…もう採れなくなってるじゃないか!

 全く…困ったものだ。

 こりゃあ、この森も期待できないか…?



「いやぁ…だけどなぁ…」



 しかし、このまま帰ってやるのは全く面白くない。

 町に帰っても、何の成果も得られませんでしたぁ!って叫ぶくらいしか出来ないじゃないか。

 で、最初(アイン)の町周辺だし今更何か見つかる方が驚きだって返されるだろう。

 そんな分かり切った事でネタをやっても面白味に欠ける。



「よし、行こう…」



 という訳で、こうなったら半ば意地だ。

 せめて現状の採取地がどうなっているのか確認くらいはしてみたいし。

 それに、あまり南以外は探索も進んでないと聞く…

 もしかしたら未発見の採取ポイントもあるかもしれないじゃないか!



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