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 そんな怖いもの…面白い物見たさで提案してみたポーションの材料だが…

 存外、ハズレでは無かったみたいだ。

 いや…むしろ当たりか?




・試作ヘルブーストポーション レア度4 作成評価6

 効果:HP回復(小)

    服用後十分間ブースト効果Ⅲ




    服用した者に限界を超えた力を引き出させるポーション、試作品。

    一定時間、体に活力が漲り全体的に能力が向上する。

    しかし効果時間は短めな上に、大きな副作用がある上に味も悪い。

    大きな苦しみを伴わせて、ほんの少しの恩恵を授けるという地獄の薬剤。

    くさい。




 ブースト効果Ⅲの内容だが…どうやら効果時間中はステータス低下回復、回復力強化Ⅲ、ステータス補正(小)、ノックバック無効(三分間)の効果がつくみたいだ。

 まぁ逆に効果が切れたら虚脱Ⅲの状態異常になるみたいだがな。

 こっちの効果は良く分からん。

 まぁブーストってくらいだし、それ相応の副作用だろう。


 しかし副作用…デメリットか。

 どうにも飲む側だけじゃなくて、作る側にも相応のデメリットがあるようだ…このポーション。




「どうするんですか!?これ!」


「わ、悪かったって!」




 リコリスがプリプリと怒っているのに対して、素直に謝る事しか出来ない。

 流石にこうなるとは、まさか予想してなかった。

 つーか、ちょっとリアル過ぎません?



「これじゃ他のポーションに匂いが移っちゃうじゃないですか!」



 彼女が今回使った調合キット、悪臭を放っている。

 どれだけ洗っても落ない辺りで、このヤバさが伝わるだろうか?

 この乳鉢とか、ビーカーとか…俺にはもわっとした効果線が幻視出来るぞ?

 ってかなんでこれだけ匂いが付いてとれなくなるんだよ…




「初心者キットだったから良かったものの!」


「ああもう!悪かったって!」



 本当に平謝りしかない。

 なんだか嫌な予感がするって、リコリスが普段使ってる調合キットを使わなかったのは本当に幸いだ。

 弁償するとなるとどれだけ費用が掛かったか…

 …ってそこじゃないな。

 先に新ポーションに着手したせいで、これから悪臭のするポーションを作る羽目にならなくて良かった。

 チーユポーション(臭)みたいになるのは避けたいし。

 そうなったら売れなくなる、間違いない。



「取り敢えず、これからこの初心者キットでこのポーションを作っていけば…」



「嫌ですよ!一々この匂いに晒されるのは!」



「あぁ、うん…」



 それは非常に同感できる。

 だが相応の準備をすればそこまで拒否するものでもないと思うが…

 鼻栓とか、マスクとか…ゴーグルもか?

 鼻を抑えても直接目に襲い掛かってくる刺激臭(物理)のせいで涙まで出てくる始末だし。



「取り敢えずこれはもう要らないです!処分しといて下さいね!」


「え〜…くさっ!」


「つべこべ言わない!」



 とまぁ有無を言わさずに押し付けられた。

 どうしよう…この初心者用調合キット(臭)。

 ヘルガーリックを潰した乳鉢も凄い悪臭だし、搾り液を溜めたビーカーも同様だ。

 全く今回の調合に関係無かった他の器具まで心なしか臭うぞ…

 どう頑張っても、これで作ったものは悪臭が着きそうだ。



「あと、これ流石に五つも要らないです!」



 とか言って、試作ヘルブーストポーションを二つ程押し付けられた。

 ごめん、それ俺も要らないんだわ…

 例えるなら…価値の無いアクセサリーを貰った気分だ。

 とあるゲームで、高価なアクセサリーに悪臭が付いたら価値が下がるってのがあったけど…

 今ならそれが納得できるな。


 ポーチに入れておいて衣服に悪臭が移っても嫌だし、さっさとアイテムボックスに放っておく事にする。

 それにこれは事情を知らない奴に押し付ける物だ。

 今度狩場にでも赴いた時に、困ってる奴が居たら押し付けるか…

 しかし、飲むか体に振りかける以外にポーションの使い方って無いものか…

 インベントリから使う、とか…

 それならこれも使えると思うんだがな。



「あ、そろそろ時間が…」


「露店に時間なんてあるのか?」


「一応、お客さんの為に開店の時間を決めてるんですよ」


「へぇ…」



 なるほど、彼女もリピーター辺りの対応はしっかりしてるんだな。

 不定時開店だとそう言う所で都合が付かないとあれだし…



「また悪いんですけど…」


「台所は使ってもいいけど、換気はちゃんとしておいてくれよ?」


「まぁ…この匂いですしね…」



 一応窓は全開にして、全力の換気を行っているのだが…

 これからもこの匂いが篭る事だけは避けねばなるまい。

 …どっかに消臭剤とか売ってねぇかな。

 いや、こういった事って風魔法辺りで出来ねぇかな?

 後で試すか…



「取りあえず、畑仕事に戻るわ」


「あ、それが終わるまでにはお暇出来る様に頑張ります。

 あとこれ、今日の分です。」


「おう、さんきゅ」



 取りあえず、まだ作物を植え付けてないからな。

 新薬開発ですっかり時間も取られたし。

 リコリスから今日の分の報酬と種を貰う。

 植え付けを忘れて後回しにすれば、それだけ明日以降の収穫が遅くなる可能性があるからな…

 最悪、収穫出来ない可能性やら品質に影響する事まで考えられるからな。

 ちゃっちゃと終わらせよう。



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