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ちょっと間違い修正

 


 ってな訳でささっと収穫再開!

 チーユ草だけでなく、ついでに一昨日から植えっぱなしの作物も収穫だな。

 何気にこれ、収穫期間がゲーム内で四日掛かる代物だ。

 リアルで二日掛かる分、期待してるんだがな…



・ヘルガーリック レア度5

 凄まじい生命力を兼ね備えたニンニク。

 禍々しい見た目に喋る事から地獄に自生している植物と言われている。

 食した者へ凄まじい口臭と、それに見合うだけの強力な滋養強壮の効果を与える。

 調理して食べると少し効果は落ちるが…生ではとてもじゃないが食べられそうには無い…

 また生命力が落ちると只のニンニクになる為、早めに食べてあげよう。

 ただし食べ過ぎると貧血に似た症状を起こすので注意!




(コマンド使用により、探索のレベルが上昇しました!)



 昨日から続くチーユ草栽培と並行して、育てていた物がこれだ。

 合計で…20近くはあるな。

 どれも丸々と太って…玉ねぎみたいな形をしてる。

 そして…あの独特な香りがヤバイ。

 それが好きでもあるんだが…

 まぁ取り敢えずインベントリに放り込んでおこう。


 そういえば思ったんだが…

 なんでこの野菜達には評価が無いんだ?

 チーユ草には採取評価があるのにな。

 …まぁいいや。



「お~い、収穫終わったぞ~」


「あ、は~い」



 取り敢えず家に入ると、居間で何やら机とにらめっこしているリコリスがいた。

 引きこもって待っていると思ったら…何やってんだ?



「別に鑑賞するほど良い机でも無いだろ」


「違いますよ!」


「えっ?いい机だったのかこれ!?」


「そうじゃなくて!鑑賞してませんってば!」



 やっぱりこんな程度の低いボケもしっかり見逃さないな。

 しっかりツッコミを入れてくるとは…



「そうか、良かった…」


「何かその納得に、納得がいきませんけど…」


「で、結局何してたの?」


「…ちょっとアイテムを見ながら、新しいレシピの考案ですね」


「何のレシピだ?って調合か」


「えぇ、そうです。

 意外かもしれませんが、初級ポーション以外のレシピって売って無くて…

 どれもそれを元にした自作レシピなんですよ?」



 なんか意外だな。

 初級ポーション以外はレシピから自作してるのか…



「ということはあのポーションも?」


「えぇ…と言っても薬草単品のレシピは初級ポーションの流用ですけど」


「成る程成る程…」



 初級ポーションって薬草単品なんだな。

 何の薬草かは知らんが…

 で…こう、何て言うの?

 そのレシピは基礎にして、奥義的な感じか?

 それから学べって事なんだろうな。



「で、これだけチーユ草の在庫も一杯ありますから…少し改良に着手してみようかと」


「へぇ…改良ねぇ…」



 俺の中にある、ちょっとした悪戯心が刺激されるな。

 ちょっとしたアドバイスや差し入れって体で、うっかり混沌を呼んでみたくなってしまう。

 もしその混沌で新しいレシピが生まれるなら…それは彼女にとっても良い事だろうし。



「なんですか?その悪い笑みは…?」


「いや、なに…ここにうってつけの物があってだな…」



 話は変わるが、世の中には調味料とか香辛料って物が存在する。

 臭い消しから味の誤魔化し、それとちょっとした栄養の追加って事にも使われる。

 食が豊かな現代社会には欠かせない物だな。

 で、なんでその話をするかと言えば勿論…



「えっ…うっ!?それは!?」


「丁度さっき、畑で採れたんだ!」


「な!?あれずっと何だろうと思ってましたけど…これだったんですか!?」


「いい匂いだろ?」



 部屋に漂うパワフルな香り。

 これをホイル蒸しにして、焦がし醤油で頂くのを考えると…

 全く、堪らないぜ!



「確かに香りは凄…う、おぇ…」


「おい、吐くなよ?」


「は…吐けませんでしょ?」


「まぁゲーム的に吐き戻せんわな」



 なんだかちょっと言葉が不自由になってる点については触れないでおく。

 つーかそこまででは無いと思うんだが…

 もしやニンニク…嫌いか?



「ほら、すりおろしたら薬味って言うじゃん?」


「だからって、実際に薬には入れないでしょ!」


「まぁそうだけど…」



 む、駄目か?

 もうひと押しな予感はするんだけど…



「どうせ飲むのは俺たちじゃないんだから…」


「それはそうですけど…」



 言ってる事がクズなのは俺自身分かってる。

 だけど事実なんだからしょうがないだろ。



「試作なんだから、試してみてもいいだろ?それに…」


「それに…なんです?」


「滋養強壮の効果ってあるし、改良出来る可能性は高いだろ。

 …それにこれだけ匂いならポーションにも定着しそうじゃん?」


「そんなの…誰が買うんですかぁ!?」


「効果さえ高ければ売れるんじゃないか?」



 ちなみに俺は悪臭のするポーションだと分かってたら流石に買おうとは思わない。

 まぁ分かってたら、だ。

 効果だけ見る様な奴なら恐らく買うだろう…



「ってかどうせその内変なのに目を付けられるんだから…その対策に作っておけって!」


「で、面倒な奴に売れと?」


「最悪譲ってもいいんじゃない?」


「それはまた…」


「まぁ物は試しだ!やってみてくれよ!」



 実際はゲーム内で口臭で苦しむ奴を見てみたい一心なんだが…

 それは言わないでおこうか。

 それに俺もチーユ草だけ売っててもそこまで大きな儲けになってないしな。

 こうして売り込んで見るのも悪くないだろ。



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