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で、なんやかんやあって…
・血涙のトマトスープ レア度5 作成評価5
料理効果:HP継続回復(小)
HP最大値上昇Ⅱ
ステータス補正(微)
寒冷ペナルティ即時回復
寒冷ペナルティ無効
色々な具材を煮込んだトマトスープ。
効果の高い食材を用いており、食すれば体に力が漲るだろう。
また寒さで冷え切った体も温まり、暫くは寒さに震える事も無さそうだ。
効果は悪くなりやすいので、食べるなら早めに食べよう。
怒りと悲しみに彩られた血の涙の様な…そんな紅さのスープだ。
結局、スープにする事に落ち着いた。
これなら材料を三つ全て使えるし、効果自体も悪くない。
食べる時に喋りだす事もないしな。
ちなみに作成過程は全カットだ。
あんなもん、表現するのもおぞましい。
なんやかんやで済ませるのが平和だろうよ。
一応、食材となった野菜の激しい断末魔と怨嗟の声が響いたとだけは言っておこう。
「いただきます…」
…という訳でいざ、実食タイムだ。
まぁ、味は悪くない。
味付けにはコンソメを加えただけだし、別に焦がしてもいないからな。
野菜の良い味が楽しめるスープだ。
強いて言うなら…トマトークを丸かじりした時の様なコメントも出てこない。
まぁ、あのトマト野郎は味的に生食用だろう。
というかあの野菜共は全体的に時間の掛かる調理と相性が良くないだろうな。
なんか鮮度がうんぬんかんぬん書いてあったし。
スープ料理との相性はそこそこ、まぁ…悪くはない?程度だ。
最終的な味の総評は普通…至って普通だ。
それで、ステータスは…
ステータス一覧
STR:20(+3)
VIT:20(+4)
AGI:30(+4)
DEX:23(+3)
MAG:18(+3)
WIL:16(+1)
今回は面倒だからステータス以外は省略した。
しかし…効果が凄まじいな。
合計値換算でなんと6レベル分のドーピングだ。
俺はこれを、ドーピングトマトスープとでも名付けるべきだろうか?
ちょうどコンソメも使ってるしな。
追い詰められた、ここぞという時に使えればとても頼もしいだろう。
あぁ…割とどうでもいいが浅漬けはオール1のドーピングでした。
どうにもこれらの野菜は塩を使った料理とは相性が悪いと思われる。
理由は察してくれ。
それと、料理のステータス補正だけは最後に掛かった物が優先、それ以外は効果の高い物が優先されるみたいだ。
更に大体一時間、これらのドーピング効果は続くものと思われる。
だからもしフルコースで料理を提供する場合、デザートなんかにドーピング効果があったほうがいいんじゃないだろうか。
それにサラダやスープでこれだけドーピングされても…あまり意味がない。
まぁ、別にゲーム内に空腹度とかそういうのはないんだけどな。
どれだけ食っても腹は満たされんし、空腹の具合は現実の体とマッチしている。
この世界では料理なんぞ食わんでも生きてはいけるので、仙人プレイが可能だ。
いや…仙人だと霞が要るか。
…断食プレイだ。
それに料理も今の所は大した効果が出ないそうだ。
高くても一種類の状態異常に対する状態異常抵抗Ⅲとか、STR上昇(微)とかその辺までだ。
今し方、キャラの胃に流し込んだ物体に戦慄を覚えるよな。
コンコン!コンコン!
「ん!?」
なんだ?野菜共の逆襲か!?
いや、でも野菜共はまとめて厨房に放り込んだはず…インベントリにさえ入っていない。
それに奴らは動けないじゃないか。
それがなんで玄関のドアを叩くんだ…?
ゴンゴン!ゴンゴン!
「あの!すいません!誰か居ますか~?」
なんて錯乱するのも一瞬の出来事。
普通に来客だったようだ。
しかし何の用事だ?
押し売りはお断りだぞ?




