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え~…一瞬ですが投稿する奴間違えました…
急いで差し替えました。
間違えて先に投稿してしまった奴を見てしまった方は申し訳ありませんでした。
「ごめんくださ~い」
「お!お客さんか!
ようこそアスティリア防具店へ!」
鑑定を終えて訪れたのは、やはり防具店。
宿を出て割とすぐ近くにある、この町の一等地的な箇所にあたりをつけて訪れてみた。
紹介状とか一見さんお断りとかだったらどうしようかと思ったが…特にそんな事は無かったな。
「えっと、あなたがこの店の?」
「ああそうだよ!アスティだ、よろしく!」
「よろしくアスティさん!自分はファルマです!」
「よろしくファルマ!でご入り用の物は?」
「えっと、軽さと防御力を両立した防具を探してるんですけど…」
「あはは!随分難しい注文だね~
まぁウチでそういうものは作ってるけど!」
いきなりの無茶にも笑い一つで応えてくれる良い人だな。
さらっと有りますって宣言する辺り抜け目もないし。
何て言うか…いい店だな。
「ってかお客さん、新人さん?」
「あ、はい!始めたばかりでして…」
「それにしては、そこそこレベルがあるね?」
「ちょっとではない地獄を見てきたんで」
「あぁ、うん…」
俺の様子をみて何か感じるものがあったんだろう。
パワーレベリングってこのゲームだと大変だろうなぁ…とか。
実際はMPKな訳だが…
って、いかんな!
これはいつまでも済んだ事を蒸し返す悪いパターンだ。
もう、彼女は封印されたんだ。
復活してくるその時まで、できる限りあの事は忘れよう。
「アビリティがイマイチで、レベルが高い状態なんですよね」
「あぁ~だとしたら言いづらいんだけど…」
「やっぱお金ですか?」
ちなみに武器は…使えない事もないから結局防具だけにする事にした。
予算はでっかく50万ミルス、使う事にしようと思ってる。
ってかやっぱり手持ちの事は先に聞いてくるよな。
いざ品物を選んだり、注文してから代金を伝えた所、お金がないじゃあどっちにも得はない。
品物の値段が分かるようになっていても見ないような人間だっているしな。
あぁ…俺じゃないぞ?
流石に一々ゲームをしながら事細かに自虐をするなんて悲しい事はやりたくない。
で、聞き返しながら店内に展示されている防具の値段をさらっと見てみた。
勿論ピンからキリ、それに軽防具から重防具まであるけど…フルセットで最低でも一万ちょい、最高で三十万って所だな。
…なんだ、余裕で買えるじゃないか。
なんて事は取り敢えず。言わないでおく。
言うか言わないかは会話しだいって事にしておこう。
後で面白い反応が楽しめるかも知れないし。
「取り敢えず展示品でも見ていって、それらの中から購入を検討して欲しいな」
「と言うと?」
「ウチの店のブランドイメージって言って分かってくれるかな…?」
「…これ以上だとどうしても無理が出ると?」
「察しが良くて助かるよ」
無難な回答万歳!
そんな思いを込めながら正解したことに小さくガッツポーズする。
ってか良かった、当たったみたいで。
この店のブランドイメージなんて聞いてないからなぁ…
近くて良さそうだから入っただけだし。
まぁとにかく、そのイメージに妥協しないで製作を行っての値段設定なんだろう。
これより低ランクの素材や、低い価格だとそれが守れないと。
「ちなみに予算はいくらだい?」
「あぁ、予算ですか?」
さて、どうしようか…?
店に来た当初とは違って今、俺の中には二つの思いがある。
一つが馬鹿正直に50万と告げて反応を面白がるのが申し訳ないって気持ち。
もう一つが、申し訳無さに予算を減額して、お金を持て余すのは良くないって気持ち。
「懐に余裕が無いなら在庫キープって事で、後日の買取も出来るけど?」
結局この言葉で、俺の中での選択肢は決まった。
ってかここまで丁寧だと選択肢が無くなったとも言える。
客に丁寧なだけと言われたらそこまでだが…
何と言うか…このゲームを始めて初めて大したメリットも無しに良心を向けられたと思うし…
「一応予算は、7万程度を考えていたんですけど…」
そんな良心に対して申し訳なく思える、俺であったとさ。