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未来への物語  作者: Coco
ラフマン家との出会い
5/6

ラウラちゃんと兄さん

 最近、ラウラちゃんの気分が沈み気味なでさ。心配なんだ。

 僕が学校や畑であった楽しい話をすると笑ってくれるけど、心の奥の方はどこか遠くにあって、残念だけど僕には届かなくて…。

 ラウラちゃんが笑うと、ふわっと雰囲気が柔らかくなって、僕は大好きなんだよ。

 心の底から笑うとき、どんなふうになるんだろう。


「ママ、ラウラちゃん、まだほとんど食べてなかったよ」

「あら、そう…。ありがとね、アム。あとで様子見に行ってみるわ。さぁ、あんたはそろそろ歯を磨いて寝る支度する時間よ」

 心配する僕の頭をくしゃくしゃっとなでて、ママは微笑んだ。

 ママの温かい手は、いつも僕らの心を励まして明るくしてくれる。

 顔を見合わせてにっこりしてると、家の表に馬が入ってくる音ががした。

「マートン!!兄さんだ!!」

 駆け寄った窓越しの暗闇の中に、大好きな兄さんの馬が見えた。

 僕はもう、兄さんが家へ入ってくるのを待てなくて、外へ飛び出していった。



「兄さん!!」

 馬小屋の扉を閉めている兄さんの背中に飛びつく。

「おお?アム。まだ起きてたのか。元気にしてたか?」

 ちゃんと僕を落とさずにおんぶして、兄さんは大きな手で抱きつく僕の頭をなでてくれた。

「元気だよ!でも、ラウラちゃんが元気ないんだ。今日はご飯もほとんど食べてないよ…」

「…そうか。心配だな。そうやっていつも気にかけてんだな。お前は優しいな、アム。えらいぞ」

 戸口のところでにもつ荷物と一緒に僕をお僕を下ろした兄さんに、ぎゅっと抱きつく。

「マートン、お帰りなさい。まぁ長い間大変だったわね。ご苦労様。シチューあっためる温めるわね」

 後ろからママが来て、2人は僕を挟んでただいまと労いのキスをした。

「支度ができるまで、お風呂に入ってなさい。アム、あんたは寝る支度よ」

「そうさせてもらうよ。行くぞ、アム」



 その夜、僕がトイレに起きたとき、ラウラちゃんのいる部屋からシチューの香りと、話し声がした。

 何を話してるのか分からなかったけど、兄さんの声は優しくて、ラウラちゃんはきっと大丈夫だと思った。


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