強くてニューゲーム(仮題)*予告のみ
プロローグにもならないにかです。
本編も書くとなったら、大幅に改稿します
記憶にあるのは、白い天井。
白亜の牢獄と、異常なまでに清潔化された空気。
指先一つ自由にできない仮初めの拘束の中、
ほんの僅かな空気を求めて、
喘ぐような呼吸を繰り返す肉塊。
──死にたくない
果たして、その無様を生きているといえるのか。
意志も、尊厳も、自由も無く
ひたすらに酸素を求めてみっともなく、
か細い呼吸を繰り返すその無様。
───死にたくない
それでも、彼はしがみつく。
意味も意義も消え失せ、もはや終わりに向かうだけの単調なあり方の中で、一欠片の生に固執する。
────死にたくない
薄れ行く意識を、辛うじてつなぎ止めているのは、たった一つの思い。総ての生命に共通する、最も根源的な思考。
────僕はまだ、
詰まるところ、彼は
─────死にたくないんだ
ただひたすらに自分の生命を渇望しただけ。
生きている以上、当然といえるその願いは、
彼の上でだけは、決して叶わない幻想でしかなく。
薄れ行く意識はやがて、闇に飲まれて、
消えた。
大塚幸多 26歳 独身
まだ、秋の気配も遠い晩夏の頃、その短い生を終えた。
読んでいただきありがとうございます。
本編はまだ投稿できません。たぶんするかなぁとは思いますが、期待しないで待っていていただければと思います