雪の日は毛玉を抱いてぬくぬく、すやすや
掲載日:2013/12/06
ツキン、という痛みに覚醒する。
未明の薄闇に雪が舞うのを見て納得した。額にある古傷は寒いと疼く上、枕元に本を積む癖があり、辞書サイズの聖書にぶつけてしまうのだ。
痛みを宥めつつ寝返りを打ち、愛猫を肩の下に敷きそうになり動きを止めた。
彼は温もりに擦り寄るヤツなのだ。
そっと慎重に体勢を変える。
彼は幸せそうに己の尻尾をしゃぶっていた。
猫は寝ながら何かを揉む様な動きを見せたり、何かを吸う様な動きをしたりするらしいが、彼は己の尾を咥える。
微笑ましくて撫でると、ぼんやりガーネットの瞳が見上げて来るが、直ぐ閉じて己の尾を咥え直してすやすや寝息を立てる。
その寝息に誘われて、いつしか安らかな眠りの中に沈んで行った。




