夜空を見て
今、私は夜空を見ている
場所はどこだかわからないけどずっと空を見ている
周りには何も無く、音もしない。ただ単に目の前に夜空が見えるだけ
「あっ、もう少しで星が掴めそう」
私は星を掴もうとした、が。やはり掴めなかった
星はもう目の前にあるのに掴めない。もう一度。もう一度手を伸ばしてみたけどやはり掴めなかった
「やはり星は掴めないのね・・・」
私は星を掴むのをやめて。また夜空を見始めたのだ
「今度は川が見えるわね・・・」
私の目の先に川が流れている。川が流れていることを知ったら水の流れる音も聞こえてくる
さらさらと、優しい音が耳に聞こえてくる
「これが・・・水の音・・・」
私は川に向かって川の中に手を入れてみた。しかし川の水は手に透けて水の感触が手に感じてこない
「・・・?」
私は両手両足を川の中に入れた。しかしそれでも水の感触は伝わってこなかった
「これ、川じゃないのかしら」
私は川の中から足と手を引き抜き、また夜空を見始めた
「今度は何が見えるのかしら」
何が見えるか、何が見えるかとずっと考えていたが。もう何も見ることはなかった