表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/45

フィーチャリング条一郎

軽く番外編です。

やあ、俺は1年2組の高城条一郎だ。


なぜ今回このようなコーナーを設けたかというと他の1年と比べてあまり俺の活動が、いや、なんでもない。


確かに俺は4月に入部するまで美術の経験は無かったけど先週入ったサイトがやたら先輩達から期待されてるのを見て


ケツに火が着いたというか、本気で絵を描こうとおもってね。油絵を描こうとしてるんだが間に合うのかこれ。昨日描いた所を


指でなぞるとべっとりと生乾きの絵の具が着いた。もしかしてとんでもない失敗をしてしまったのか?俺も他の部員と同じように


水彩画を描けばよかったかもな。今日はみんなに1人ずつ先輩がついて絵のアドバイスをしてくれるのだがやっぱり、といわんばかりに


俺だけはぶられた、と思ったら後から2人先輩が来て俺についてくれるらしい。ほっと、したのも束の間、その2人が誰なのかを


理解すると少し不安になってきたぜ。隣の方で神崎とノマ部長があれこれ言いながら熱帯魚が描かれた本を見ている。


この魚がいいですかね~、いや、こっちの方がいいんじゃない?かわいいし。そんな会話が入ってくるたびにうらやま、いや、


ちゃんとやれよ、と怒りがこみ上げて来た。俺もノマ部長がよかったな。その隣では大和が三上先輩と好きな漫画の話をしていた。


おい、ここは漫画研究会じゃねぇぞ。一方的に話を進める先輩に対して大和がときおりうなずいたりしているのが面白かったけどな。


その後ろではまっつんと、舞先輩が絵を描くテーマについて話し合っていた。まっつんは昨日下書きした火山の絵を描きたいって言ってる


けど、舞先輩が隣のページの森の絵を描いたほうがいいと言い始めた。こないだみたいにエスカレートしないでやってくれ、と思って


いたが段々お互いの口調がきつくなってきた。勘弁してくれよ。ほんとに。サイトは水彩画の描き方を先輩に教えてもらうらしく


筆とパレットを詠進先輩に手渡していた。人から色々吸収するのはいいアイデアだと思う。俺もそこは見習わないとな。


あれ、だれか来たみたいだ。ドアを開けると3年の大清水先輩がうひっ、うひっ、と言いながら入ってきた。やっぱりお前か。


ソイツがノマ部長に佐々木さん、僕はだれにつけばいい?と聞いたので部長が俺を指差して「タカジョーのところ」と言った。


正直俺はタカジョーというあだ名を気に入っていた。高城の「たか」と条一郎の「じょう」。そんなことを考えてると


へらへらとした顔をした大清水先輩が近づいてきたのでよろしくお願いします。と頭を下げた。すると、うひ!こちらこそぉ!と


ガイコツのように顔を揺らしていった。そうだ、もうひとり、女の先輩がいたはずだ。その人がつけば多少この気まずい空気を


なんとかできる。そう思っていたらノマ部長が言った。


「あ、山田さん今日来れないっていまメール来た。シミー、ちゃんとタカジョーに教えてあげてね。」


うわあ、最悪だ。俺この先輩とほとんど喋ったことねえし、絵を描いてるところもみたことねぇ。とりあえず俺は絵の後ろで頭を


揺らしながら座っている大清水先輩の前で生乾きの油絵を描くことになったというわけさ。やれやれだ。

大清水っていう変な先輩が登場しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ