盲腸2人組
今日最後の投稿です。
サイトが泣き顔をカモフラージュするために水で思い切り顔を洗っていると1人の生徒が教室を抜け出たようだった。
足音がこっちへ近づいてくる。サイトが水の滴る前髪をかきあげるとそこには高城条一郎がいた。彼はポケットから
ハンカチを取り出そうとしているサイトにこう言った。
「どう?あの空気を経験した感想は?」
サイトはハンカチで顔を拭きながら何のこと?と切りかえした。本当は条一郎が何をいいたいのか分かっていた。条一郎が言った。
「俺も入部した当初は周りの絵のうまさに驚愕したよ。嫉妬というよりかは俺の場合、諦めに近いかな。
でも、俺は俺なりに自分の絵を描くことに決めたんだ。そんなに気にすることはないよ。すぐに諦めがつく。」
条一郎がそういい残すと奥のトイレに消えていった。そうか、彼もサイトと同じ美術未経験者。今のサイトと同じように
自分の能力の無さを感じ、無力感に包まれた経験があるのだろう。サイトは顔を洗ったため体がすこしブルついた。俺も用を足そう。
俗に言う「連れション」という形でサイトは先に用を足している条一郎と隣の小便器の前に立ち、おもむろにズボンのチャックを下ろした。
用を終えた条一郎がサイトの横を通ると、ぶわっ、と大きな声をだして吹きだした。ん?どうしたんだコイツ?サイトが思っていると
条一郎がおののきながらこう言った。
「お前、手術終わってから...まだ生えてないのかよ。」
条一郎が言うとやっと意味が分かったようにサイトは用を足している自分の下半身を眺めた。
もう手術をして2ヶ月になるので本当はちらほらと毛が生え揃っていたのが授業中ナニかチクチクするため自分で風呂場で剃ってしまった
のだった。サイトが顔を真っ赤にしながら、違うよ!と言うと条一郎が悟ったような口調でよくわからない事を言った。
「別に否定しなくたっていい。人は誰かに言えない性癖を持ちながら毎日を過ごしている生き物なのだから。」用をし終わると、
本当に違うってば、とサイトは条一郎の後を追った。こんな馬鹿な会話をしている間に不思議とリラックスした気持ちになっていくのを
サイトは感じた。もうしばらく絵を描いたら家で復習しよう。そう思いながら馬鹿話をしている二人は笑いながら部室のドアを開いた。
下ネタが若干多くてスイません。
「俺...ブログを始めたんだ...よかったら...みんなも遊びに来てよ...フフッ」
伊藤美優のブログ↓
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