表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/45

いきなり修羅場

突然ですがブログをはじめました。

みなさん遊びに来てください^^


http://itoview.seesaa.net/

次の登校日の放課後、サイトは意気揚々と美術室のドアを開いた。


左手には中学時代に絵の授業で使った水彩絵の具セットのケースが握られていた。日曜日にかあちゃんに言って押入れから


探し出してもらったものだ。かあちゃんは色々大変だねぇ、と一言だけ言いホコリのかぶったケースをサイトに手渡すと


掃除の続きをするため居間に戻った。サイトは図書館で神崎が水彩画を描いてはどうか、と言った事をすぐに実践に移すこと


に決めたのだ。思ったことはなんでもやってみる。これが斉藤サイトのモットーだ。


さて、前書きが長くなったが来週の金曜日までに絵を描きあげなければならない状況に直面しているため、サイトはそそくさと


カバンから水彩画用のキャンバスノートを取り出した。図書館の帰りに神崎に言われて買ったものだ。普通のノートと


同じサイズだったがこれで大丈夫であろう。サイトが教室の前に目をやると、黒板の横の準備室のドアが開いているようだった。


どうせ松野がオシャレな作業着に着替えているのだろう。そう思いながら必要な道具をカバンから出していると、準備室から


ガタガタ、と大きな音がして、ドアが勢いよく開いた。サイトは思っても見なかった光景に言葉を失った。


準備室から出てきたのは松野ではなく、女の生徒だった。165cmくらいの長身で毛先にゆるいウェーブのかかった髪型をしており


短めのスカートからはふとともがこれでもか、というぐらいに露出していた。その生徒は「痛い!離して!」と声を荒げた。


どうやらドアの向こう側にもう1人いるようだ。女生徒は引っ張られていた腕を解き勢いよくサイトがいる方へ走り出した。


なにがなにやら。サイトが口をあんぐり開けると準備室から出てきた男子生徒がなよなよとした口調で言った。


「マイ、あれほど俺の事が好きだっていってたじゃないか。なんでアイツとなんか付き合う事にしたんだよ...」


マイと呼ばれた女生徒はうるさいな、もういいでしょ、と言ってその男子生徒の襟首を掴み、美術部の外へ追い出し内側から


鍵をかけた。いつの間にか教室に入ってきていた松野が呆れたような口調で言った。


「舞先輩、いいかげん美術部に男を連れ込むのやめてくださいよ。絵を描く妨げにしかなりゃしない。」


舞先輩、と聞いてサイトはノマ部長が言っていた言葉を思い出した。


「女の子の部員はあたしのほかにもう2人いるんだよ~どっちもセクスィーな感じの子だからサイサイもすぐ気にいるとおもうよ。」


サイトは目の前でいや~まいったな~と頭を掻き毟っている彼女がノマ部長が言っていた他の女子部員の1人であるということを


理解した。その舞先輩は松野を見ると達観したようにこう言った。


「いや~やっぱり恋愛経験の少ないおぼっちゃまを相手にするとこういう事になるわよね~。あ、まだキミ達にはわかんないか。」


サイトはオタクのような見た目の松野と一緒くたにされたのが少しカチンときたが、その口ぶりから彼女はかなり恋愛の経験が


豊富なようだった。松野が舞先輩に聞こえないよう小声でサイトに声をかけた。


「あの人は僕らの2つ年上の鶴野舞(つるのまい)先輩。ロクに絵もかかず男をつれこんで遊んでばっかだからいやになっちゃうよ。」


松野が話すと、そこ、何か言った?と舞先輩が乱れた制服を直しながら言った。一体準備室でナニをしようとしていたのか。


サイトが勘ぐり始めるとドアがドンドンとノックされた。舞先輩がやば、と声をあげた。さっき出て行った男が諦められず


またやってきたのかもしれない。松野にちょっとアンタ見てきなさいよといい、しぶしぶ松野が鍵をあけドアを少し開くと


どうしたの?という表情で大和、神崎、条一郎の一年生三人が並んでいた。松野がドアを開けると舞先輩がちょっと!あたしに


誰だか教えてからいれなさいよ!と声を荒げた。女って怖えぇ。サイトは男女の修羅場に出くわすという貴重な経験をこの神聖な


高校の学び舎で経験することが出来た。

先輩たちの名前は割りと適当に決めてます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ