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力場

 ずい、と義明は一歩前へ出た。


「さあ、喋るのじゃ! 【御門】の求める【鍵】は、どこか。息子の命が惜しくないのか?」

 時姫は、ゆっくりと頭を振る。

「あなたには判らないのです。【鍵】を【御門】に渡すことはできませぬ」

 時姫の瞳に浮かんだ、義明を哀れむような視線に、つい義明は、もう一歩、す、と前へ歩き出す失策を犯した。



 びりっ!



 義明の全身を、怖ろしいほどの衝撃が貫く。

「わあっ!」と悲鳴を発し、義明は尻餅を衝いた。

 時姫を囲む円の内側に触れる、という失態である。円の外側には不可視インビジブル力場フォースが張り巡らされている。


 ぜいぜいと喘ぎながら義明は立ち上がった。

 怒りに我を忘れた。


「そこで、何時いつまでも強情を張るがよい! 息子の時太郎めは、麻呂が捕えてやる! そうして、そちの目の前で一寸刻みに嬲り殺しにして進ぜる! 後悔しても遅いわい!」

 息を弾ませ、くるりと背を向け歩き去った。


 後には時姫が残された。

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