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見た目は22歳中身は53歳 理美的未知との未遭遇 異世界ライフ

基礎化粧品

作者: ヘキサク 希
掲載日:2026/07/13

異世界生活初日の朝


理美は顔を洗おうとして、自分の肌に触れた。


「……ぬるぬるやん」


五十三歳の理美は、朝の洗顔なんて水洗いで十分だった。


しかし、今の身体は二十二歳。


皮脂が多い。


しかも、部分的には乾燥している。


「絶対、泡ソープいる~~」


理美は洗面台に並んでいる基礎化粧品を見た。


異世界の家には、日本の理美の家にあった物が、そのまま用意されている。


当然、基礎化粧品もそのまま。


五十三歳の理美が使っていた物ばかりである。


しっとり肌用


これもしっとり


あれもしっとり


「……困ったな」


肌を休めたい日もある。


キュレルの泡洗顔と基礎化粧品。


それから、dプログラムの基礎化粧品。


理美はスマートフォンでAmazonを開いた。


本日お届け


「よし」


その日のうちに日本の自宅の宅配ボックスへ届く。


今回はシークレットにする必要もない。


JINに異世界へ持ってきてもらい、一度見てもらえば、二回目からはコピーしてもらえる。


Yunthの導入美容液。


ハトムギ化粧水。


ルルルンのシートマスク。


この三つは、今ある物をコピーすればいい。


「まあ、夜までに新しい基礎化粧品ゲットできるし」


問題は今である。


今、顔を洗いたい。


理美は家にある赤箱の牛乳石鹸を見た。


日本では、主に手洗いや洗濯物の部分洗いに使っていた石鹸である。


理美はヒューゴを初めて呼び出し、赤箱の牛乳石鹸を泡立て、洗面器いっぱいの泡を作らせた。


初めてヒューゴを呼び出して頼んだことが、洗面器いっぱいの泡作り


今となっては、いい思い出である。


たっぷりの泡で顔を洗う。


「おお」


洗顔後はYunthの導入美容液。


ハトムギ化粧水をたっぷり。


そして、ルルルンのシートマスク。


「まあ、夜までの応急処置なら、これでいけるな」


理美はホッとした。



次の問題は、五十三歳の理美が使っていた基礎化粧品だった。


しっとりタイプの乳液。


しっとりタイプのクリーム。


二十二歳の顔には使わない。


「これは足に塗ればいいな」


お風呂上がりに足へ塗って、靴下を履く。


それでいい。


ハンドクリーム代わりにする必要はない。


もう家事はしないのだ。


しっとり乳液もクリームも、使い道は決まった。


しかし、一つだけどうしても使い道が決まらない物があった。


エリクシールの美容液。


約九千円


理美にとって、ただの九千円の美容液ではない。


TikTok Liteでポイントを貯めた。


それをVポイントに交換した。


さらにWAON POINTへ交換した。


そして、ウエルシアの二十日。


ポイントを一・五倍分使える日に買った。


現金を出さずに手に入れた、大事な美容液である。


パパは高給取りで、理美はカードで好きな物を買わせてもらっていた。


それでも、理美はお得が大好きだった。


ウエルシアへ行く時には、自宅で洗顔を済ませ、ハトムギ化粧水だけをつけて出かけることもある。


エリクシール売り場には、ご自由にお試しくださいと書かれたローションと乳液がある。


そこでローションと乳液を塗り、そのまま買い物をする。


そんな理美が、ポイントを貯め、交換し、二十日を待って手に入れた美容液。


「……足に塗るのは違うな」


高すぎる。


かといって、今の二十二歳の肌にわざわざ使う必要もない。


使わない


でも、捨てられない


「どうしよう」


理美は考えた。


そして、JINを思い出した。


JINは、日本の有名な男性バイプレイヤー俳優を意識した姿をしている。


理美はJINの顔を思い浮かべた。


「……うるおい、必要やな」


使ってもらえばいい。



理美はヒューゴにエリクシールの美容液を渡し、JINの家へ届けてもらった。


そして、Instagramの電話機能でJINに連絡した。


「JINさん、ヒューゴに美容液渡したから、使って」


「ありがとうございます」


「大事に使ってね」


理美の言いたかったことは単純だった。


この美容液は、一回二プッシュと決まっている。


高い美容液なのだから、決められた二プッシュだけ使ってほしい。


三プッシュも四プッシュも使うな。


大事に使え。


それだけである。


しかし、熱狂的なソフィーファンであるJINの受け取り方は少し違った。


推しから贈られた物


しかも、直接


「大事に使ってね」


そう言われた。



少し前まで、JINの異世界の家は快活CLUBの個室を再現したものだった。


日本文化が好きなJINは、日本で気に入った場所を自分の世界に再現して暮らしていた。


しかし、理美を異世界へ招くことが決まり、JINの家も変わった。


現在のJINの家は、日本の理美の家を再現したものになっている。


ほぼ同じ


ただし、一か所だけ違う。


神棚がある。


JINは以前、理美が生まれ育った実家へ行ったことがある。


JINにとっては、推し生誕の地への聖地巡礼である。


その時、理美の実家にあった神棚を気に入り、自分の家にも同じ物を再現した。


異世界の神が、日本の神棚を自宅に置いている。


日本好きなのである。



JINは、理美からもらったエリクシールの美容液を神棚に祀った。


推しから賜った大切な品


「大事に使ってね」


JINは、その言葉を忠実に守っているつもりだった。


美容液には、JINの力で時間停止をかけた。


これで劣化しない。


永久保存できる。


しかし、理美は言った。


「使って」


使わなければならない。


そこでJINは、神棚に祀る美容液とは別に、使用するための美容液をコピーした。


これを毎日、大切に使う。


だが、使えばいつかなくなる。


JINは考えた。


そして、使用中の美容液がなくなった時に再びコピーするための保険として、もう一本コピーを作った。


結果、


神棚に祀る本体


実際に使う美容液


なくなった時のための保険美容液


一本だったエリクシールは、三本になった。



理美は、高価で捨てられなかった美容液を処分したかっただけである。


JINに使ってもらえば無駄にならない。


その程度の気持ちだった。


しかし、処分したかった美容液は三倍に増えた。


しかも、そのうち一本は神棚に祀られている。


神が神棚を作り、美容液を祀る。


異世界で、エリクシールが神になった。



なお、異世界の理美はJINの家へ直接行くことができない。


JINも異世界では理美に直接会うことができない。


そのため、理美はこの事実を知らない。


もし知れば、完全に引く。


JINは今日も、神棚に祀られたエリクシールを大切にしている。

異世界の神の神は、エリクシールの美容液www

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― 新着の感想 ―
◦<(¦3[▓▓](ᐡᴗ ̫ ᴗᐡ)ᶻᙆz♡
エリクシールのくだり最高(*`ω´)b
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