事件簿その4
長い夏休みが終わり、2学期というやつが始まった。
昨日、大騒ぎをして、やっと宿題を終わらせていた美紀ちゃんは、小学生のころからあまり成長していないな。元気に自転車で登校していったのに、何やら暗い顔をして帰ってきた。
「おい、どうした?そんな顔して。」とパパが尋ねても、
「相談、乗るわよ。」とママが話しかけても、
「なんでもない。」って、自分の部屋に行ってしまった。
「よし、みんな、出動だ!われらの出番のようだぞ」ボスがみんなに声を掛けた。
ボスは、困った。美紀ちゃんの悩みは、ボスにはどうしようもないものだった。
『あのね。中学校でね、体育祭の準備が始まったの。私は、赤組になったんだけど、赤組全員で応援のダンスを踊るの。私、どうしても踊りが覚えられなくって、3年生の先輩に怒られちゃったの。どうしよう。』
だんす?200年生きていても、動物と話せても、夢に登場できても、どうしようもないではないか。
「それ、わたしにまかせて!」
ソレラが楽しそうに発言した。
「ダンスってね、たのしくなんべんもおどれば、からだがかってにうごくのよ。わたし、まえにいたおんなのこといっしょに、ほいくえんのおゆうぎたくさんおどったのよ。」
とりあえず、次の日、中学校についていった。
5時間目と6時間目が、「いろべつしゅうかい」で、「おうえんれんしゅう」だった。
『はい、みんな一列に並んで。まず、右足から、ボックスステップね。。。そこで右手を上げて、右にターン!』
む、難しい。ボス、ミンファ、シードは、盆踊り風にバタバタやっている。
ソレラは、にこにこと上手に踊っていた。『ぼっくすすてっぷ』なんて知らないけど、先輩の動きをまねすれば、大丈夫。
「とっても、たのしいだんすね!!こんやから、みきちゃんといっしょにとっくんよ。」
3人の妖精の盆踊り風のダンスを見て、美紀ちゃんは大笑い。気持ちもほぐれて、ソレラといっしょにダンスを楽しんだ。
体育祭当日、美紀ちゃんが上手に踊りきれたのは、言うまでもない。
ボス、ミンファ、シードは、美紀ちゃんが困難を乗り切れたことと、もうダンスの練習をしなくていいことに、胸をなでおろした。
もう美紀ちゃんは、だいじょうぶそうね。
ソレラは、すっかり元気になって、新しいお友達を探して旅立つことにした。ミンファ、シードも、旅に出るらしい。
わしは、ここにとどまって、お兄ちゃんと恋人の間に生まれる子供を待つつもりだ。十年後か、二十年後には、妖精と話せる子が生まれているだろう。
「また,いつかあおうの。」
「元気でね。」
「世話になったな。」
「楽しかったよ。」
われらドレミファ妖精探偵団は解散した。
体育祭の応援練習、苦手でした。なぜ、みんな上手に踊れるのか、不思議でしたが、妖精に助けてもらった子もいたかも。これにて、ドレミファ妖精探偵団は解散です。お読みいただいた人間の方々、ありがとうございました。




