ボスの思い出ふぁいる1
今日は、美紀ちゃんはにこにこ笑顔で帰ってきた。無事、楽しい一日が送れたようだ。ボスは、自分の楽しい夢の中に戻っていった。
今から、約200年前。江戸時代。いこくせんうちはらいれい、とかいうやつが出たと、物知りの妖精がちょっと寄って話していったころ。この家は、やっぱり農家だった。お兄ちゃんたちは、とっくに妖精が見えなくなり、一番末っ子のお花ちゃんとわしは、楽しくお話をしていた。
『あのね、向こうのおうちに、新しい人たちがお引越ししてきたの。』
「へえ。めずらしい。人間が、住む家を替えるなんて。」
『そこに、お花と同じくらいの男の子がいてね、お花のこといじめるんだよ。』
それはひどい!!生まれてまだ数年しかたっていないわしは、憤慨した。
「よし!!わしがこらしめてやるからな!!」
その家にも、住み着いていた妖精がいた。例の男の子は、妖精と話ができるようだ。
「ようこそ!この村へ。村は気に入ったかい?」
『うん!!隣の家に、とってもかわいい女の子がいたよ。』
「それはよかった!その子と知り合いになれたかい?」
『知り合いになれるように、俺がとった蛇やカエルをあげたんだ。恥ずかしがって逃げちゃって、受け取ってくれなかったんだ。次は喜んでくれるかなあ。』
…たまげた。隣の妖精、よろしくな。わしは、どうしたらいいか、わからん。
あのころは、わしもまだ、頼りにならない妖精だったなあ。
どうやら、隣の妖精は、うまいこと言い聞かせるのに成功したようだ。今でも、隣の家には、花ちゃんのひひひ…孫たちがにぎやかに暮らしている。