登場人物解説
主要登場人物の本編を通しての解説です。
・錫守 世明 (すずもり よあけ)
2/15 生まれ(2256年)
主人公 中学一年生 明るい性格
頭は良くないがかなり空気が読め、人の気持ちの変化に気付きやすい。
双子の妹である世界に昔はずっと頼っていたが、最近は殆ど話もしなくなっていた。世界の茜に対する気持ちには全く気がつかなかった。
茜に誕生日プレゼントと間違えて誕生日トランペットを貰って以来トランペットをしていて、中学でも吹奏楽部に所属している。
自分の感情などより他人主体で動いており、自分のことより他人を優先する。きっかけとしては実母が自分のせいで亡くなったことだが、優秀な父・妹に対する潜在的な劣等感もあり、他人を自分の都合で動かすことをあまり良しとしない。 元来明るい性格だったが、実母の死後心因性失声症のようになり性格も大人しくなった。しかし茜と出会ったことでだんだん本来の明るい性格になっていき、今では人気者になった。元々の他人主体な考え方に加え、茜の「自分の幸せは人の幸せである」という考えにも感化されているため、自分の意思について考えることはあまりない。
備考
根っからの奉仕者。性格的には実母に近しいが、行動原則が自分のためと他人のためとで正反対。
・錫守 茜 (すずもり あかね)
7/23生まれ(2255年)
世明と世界の義理の兄 中学一年生 生来体が弱く、幼い頃はずっと病室にいたが、最近は特別支援学級ではあるものの、学校に通えるようになるほど回復してきている。手先が器用で、経験がなくとも大抵の作業は体力を要さなければ卒なくこなす。病院生活が長かったため常識知らずで純粋。かなり長い間誕生日プレゼントを誕生日トランペットだと勘違いしており、世明と世界の誕生日に父に頼みお小遣いをはたいてトランペットを買ってもらった。母親の連れ子であったが、再婚後すぐに母親が亡くなり家庭内で血の繋がりがないのは彼だけとなる。
実はもともと国が組織する人間核爆弾の研究所の実験台で、試験として爆弾をいつでも爆破出来る状態で実の母である円とともに普通の生活を始めるが、円が病により余命幾ばくもなくなり、彼女の幼馴染兼研究所の株主でもあった世明と世界の父と再婚し彼を託して死亡した。
円が秘密裏に作った核爆弾スイッチを機能停止させるコード番号があり、それを知った彼は、この後どのような処置がなされるかわからない自身では覚えていられないと、たまたま研究所を訪れ1人外で遊んでいた世明に伝える。(この頃はまだ家族愛なども知らないため生きる意思が強かった。)番号は父である素数の生年月日を並べた数2237.0723(2237年7月23日)を2進数で表したもの。(100010001101110000011100100011)
自分の死を悟り、研究者の人たちが頑張って作ったものだから、それを今更台無しにしたくない。家族に迷惑をかけたくないと考え一人で宇宙に行き亡くなる。
性格は元から明るく純粋ではあるものの、実際よりもよりそうであるように振る舞っている。学力も、周囲には数学のみ高校生程度であると装っているが、本来は理系科目に関して大卒程度の知識を持っている。性格学力どちらも世界にのみ打ち明けている。
円への愛情は、円から茜に対する謝罪を受け入れ、それに報いるために『良い子』でいる、という形のものであり、実際に円を母として愛しているかは本人にもわからない。母を恨んではいないが、本来優しいはずの母にこのようなことを仕向けた実の父のことは恨んでいる。
世界が自身に好意を抱いていることには幼少期から気がついていたが、それを成就させるつもりはなく、長きに渡って気が付かないふりをしてきた。
大抵の人には良い子であることを疑いすらされなかったが、唯一素数のみがその牙城を崩さんとするため苦手だった。最期に素数が父親だとわかり、今までの自分の努力を感謝されたことで、初めて『良い子』であろうと必死でもがいてきた人生が報われた。
備考
円の謝罪に対して、円を許すために良い子になったが、本当に許していたかはわからない。誕生日は素数と同じ。
・錫守 世界 (すずもり せかい)
2/15生まれ(2256年)
世明の実の双子の妹 中学1年生。兄姉2人とは違い名門進学校に通っている。かなり賢くいつも部屋で一人何かをしている。突然世界を滅ぼすという手紙を残し姿を消した。
幼少期より茜に恋心を抱いていた。そして謎だった彼とその母の素性を調べていくうちに人間核爆弾のことを知る。
茜が実験で無残に殺されてしまうくらいならこの世界ごと消してしまいたいと願い、市街地で茜を爆破し核戦争を誘発するため、起爆ボタンを盗み行方をくらましていた。世界を滅ぼすという書き置きは、そのままの意味とともに自分も犠牲になる覚悟を示していた。
幼少期から賢く、小学校から名門学校に通っている。またその賢さから、将来的に自分たちのことを勘づくと考えた円から、世界に残したメッセージがあり、そこで全てを知っていたが、それ以来家族にその事実を隠し通す自信が無く、家族と話すことがないよう常に避けていた。音楽にあまり関心は無いが、茜から誕生日に貰ったトランペットは、今も大切に自室にしまっている。
備考
父親に似て正しさを追求しているが、それが社会的なものか感情的なものかで正反対。
・上手裏 素数 (うまり もとかず)
32歳 茜の担任の先生 名前の由来は生年月日のが全て素数であることから。(2237/07/23)
唯一の生徒である茜を大切に思っている。医学にも明るく茜の授業中も体調管理を徹底しているが、根はガサツ。課題をこなして行くタイプの授業でどの教科も教えられる。中学からトランペットをやっていて、2回目の大学時代も吹奏楽サークルでトランペットをしていた。
1回目の大学時代に円と交際していた。しかし完璧すぎる彼女に常に負い目を感じており、彼が18歳にして彼女が妊娠していたとわかると、心の底から愛しているが故に自分と生きても幸せになれないと思い彼女に別れを告げた。その後大学を辞めて地元に戻り教師となった。
そしてその子供が茜であり、離れた後も愛し続けていた円は息子の爆弾の解除ナンバーを彼の生年月日に設定していた。
茜の入院後父親であったことを初めて知り、茜への謝罪や後悔を押し付けるのではなく、ただ死に行く茜の感情や今までの苦しみを受け入れることを選び、和解には至らなかった。
備考
覚悟が決まるまでに時間がかかりすぎた人。これからも一生後悔して生きていきます。
・錫守 円旧姓:喜梨
勉強も運動もなんでもそつなくこなせる天才。
早くに父親を亡くし、母親にネグレクトされながら育ったことで、ストレスにより髪が白くなる。母の死後は孤児院で暮らし、夜明らの両親となる宙、未知と出会う。中学卒業後アメリカの大学へと進学、その後帰国し大学の研究員として働いていた。
初めての恋人である素数との間に出来た子を堕ろすことができず、死ぬまでその恋人を思い続けていた。自分より不幸な子供をそばに置いて自分の不幸を誤魔化していた。その後自身の愚かさに気がつき、こっそり解除ナンバーを設定し、自身が身元引受人となる形で研究所を辞職した。その後は孤児院のあった街で普通の親子として暮らすが、突然病気が発覚、残り少ない命となる。そして自分の死後息子を託す相手として世明らの父が選ばれ、何か秘密があることを悟りながらも彼は彼女たちを受け入れ再婚し、程なくして病死した。
以前より辛いことがあったらカツラを外して自身の白髪を見ることで、自分はあの頃よりも辛くないと言い聞かせていた。しかし「あの頃よりも辛いこと」が起きたため、自身の母と同じ道を辿ることとなった。
賢いためしっかりものを装っているが、精神的にはかなり弱い。母親とよく似ている。素数への依存的な愛も亡くなるまで続き、茜はそれを理解しかねていた。
備考
メンヘラです。そのパーソナリティに余る頭脳を持ってしまいました。
他の登場人物もそのうち加えるかもしれないです。