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第98話 突然の来客

「む、止まれっ!何者だ貴様らっ!!」


 ヘリルスの門番がガンマ隊を止めた。

 ヌルはアルカディオンを一時停止させ、コクピットから外出た。

 ヌルに続いてリンジー、マディリン、バナン、ガース、グイリオと続々と外に出て門番と対面する。


「我々はシーラ帝国から来ました」


 シーラ帝国という名前を聞き門番の顔が一気に曇った。

 そして、門番は持っていた槍をヌル達に突きつけ警戒態勢をとった。


「なにっ!?シーラだとっ!?」


 門番が槍をヌルに向けて振るった。


「ちょ、ちょっとまってよ!私達は戦いに来たんじゃ――」


 リンジーがそう言いかけた時、ヌルは素手でその槍を受け止める。


「……っ!?」


 門番はびっくりしたような表情だ。

 まさか日々鍛錬してきた自慢の槍術をこうもあっさりと止められてしまったのだから無理もない。


「話を聞いてください」


 ヌルは表情を変えず、槍を掴んだまま門番に圧力をかける。

 ヌルの目は次に槍を突き刺した時は殺すと言っているようだった。


「わ、わかった」


 門番はその圧力に圧倒されたのかすんなり話を聞き入れることにしたようだ。

 はっきり言って門番失格である。


「で、では一度中に」


 門番はヌル達を中に案内してしまった。

 門番は自身の命と国を天秤にかけたのだ。結果として自分の命をとってしまったということだろう。


「ああ」


 ヌル達ガンマ隊は門番に連れられ王室へ向かった。

 王室はヌルが指示した場所だ。

 自らが王に話をつけるらしい。

 移動中、ヌル達のその軍服の姿にすれ違う人々は違和感を覚えた。

 コンコンと門番はエンゲルと銃夜がいる王室をノックし、ドアを開ける。

 もう、ここまでしたのだから門番には重い罰が食らうだろう。

 ご愁傷さま……


「なんだねっ!!君たちはっ!?」


 案の定エンゲルにキレられてしまう。


「エンゲル様、我々はシーラ帝国から参りました。ヌル・バタリアンといいます」


 この時、銃夜はヌルと目があった気がした。


「シーラっ?貴様今シーラと言ったのかっ!?」


「はい」


「どういう……!?」


 エンゲルは連れてきた門番の方をチラッと見た。


「わかった。取り敢えずこの者達を牢に……」


「はいっ!」


 門番は敬礼する。


「それと――」


 エンゲルはパンパンと2回ほど手を叩き、合図する。

 すると、すぐさま、奥から兵士が4名ほど登場した。


「ここへ連れてきた門番には重い罰を」


「え、えちょ――」


 門番は少し涙目になっていた気がする。

 エンゲルが呼び出した2人の兵士によってどこかへ連れて行かれてしまった。

 ちなみにもう2人の兵士はガンマ隊を牢にぶち込んだ。


「なんだったのでしょう?」


 フリーデンがぼそっと呟く。


「話の腰を折ってすまなかった。それで、私にやってもらいたいことがあるとか言っておったな?」


「はい。ですが、その必要がなくなりました」


「無くなった……?」


「はい。俺がやりたかったのはメナキサイアがなぜ水没してしまったかという謎を解くことだったのです。しかし、今の彼らの介入によりその必要はなくなった。俺は今牢に入れられた彼らの話を聞きたい」


「なるほど。その話とは?」


「おそらく彼らなら、メナキサイアが水没した理由を知っている。そして、メナキサイアの生き残りを味方につけるのです。ヘリルスと並ぶ巨大都市だったと聞いております。魔王軍を討伐するには必須かと」


「なぜ、彼らがその謎を知っていると?」


「あくまで勘ではありますが、何か事情があってヘリルスに来たんだと思います。例えば……魔王軍関連とかですかね?」


 瞬間、再び、王室の扉がバッと開かれた。

 いかにも急いでいる一人の兵士がやってきた。


「今度はなんだ?」


 食い気味にエンゲルはその兵士に尋ねる。


「ほ、報告です!魔王軍の手によってシーラ帝国が壊滅させられましたっ!!」


「なん…じゃ…と?」


 シーラ帝国の壊滅によって魔王軍の脅威を改めて知った。

 しかし、いつにもなく銃夜は冷静だった。


「やはり」


 ただ一言そう呟く。


「エンゲル様っ!先程のシーラと名乗るの軍服の者達との面会を希望しますっ!!」


 エンゲルの額には汗が溜まっていた。

 魔王軍がもうすぐそばに来ていることとシーラからの突然の来客。この瞬間にこの2点が重なることは必然だった。

 エンゲルは彼らからの事情を聞くことにし、ヘリルス全域に魔王軍への警戒態勢を行った。


「先程の軍服の者達にはジューヤ殿がいくのがよいだろう」


 銃夜は深く頭を下げる。


「はっ!!」


「ユキヒメ、フリーデンと言ったかな?そなたらはヘリルス周辺の警備に加わってくれ」


「いいのでしょうか?私達のようなものが……」


「ジューヤの連れだある程度は信頼しておる」


「はっ!!」


 フリーデンとユキヒメも深く頭を下げた。




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