第93話 第7試合その①
シーラ対魔王軍が熾烈な争いを繰り広げている中、ヘリルスではとうとう勇者選抜の最終試合が始まろうとしていた。
「ルーナ平気か?」
皇銃夜は椅子に座っているルーナの肩をそっと撫でる。
「ええ、相手にとって不足はありません!!」
ルーナは椅子から大きく立ち上がる。
「ユキヒメ、フリーデン、行くぞ!!」
「「了解!」」
通信魔法の機械的音声が銃夜達に始まりの合図をする。
次に空間魔法で戦うダンジョンフィールドに強制転移させられた。
「これは…?」
皇銃夜は絶句した。
今回のダンジョンフィールドはストリートダンジョン。
ストリートダンジョンは、まるでヘリルスのような西洋な街並みが並んでいる。
コンクリートで塗り固められた家や雑貨屋、武器屋に冒険者ギルドなどが設置されている。
「普通に街…でありんすか?」
「そのようですねユキヒメさん!」
「まぁ、何はともあれフリューゲルの野郎をぶっ倒す。あいつには色々ムカついてることがあるんだよ!」
「そうですねジューヤさん!」
やがて、機械的音声の元勝負のカウントダウンが言い渡される。
『0』
という最後の数字が言われて銃夜達はすぐさま行動した。
それは、相手のフリューゲル・グローテルもだろう。
瞬間、銃夜の真横を斬撃が通過する。
「風?」
そう思わせるほどの風圧。
これほどの威力を出せる人は一人しかいない。
「フリューゲルか…?」
しばらくすると、フリューゲルが家の陰から現れた。
しかも、脱落寸前の、ゲミュート、リヒト、サハリンを抱えて。
「お前、それ何やって…?」
銃夜はフリューゲルに尋ねる。
「なにって?そうだな?こいつらは悪だ」
「どういう…?」
瞬間、フリューゲルの刃がゲミュート達の腹を貫通した。
「ぐはっ!!」
「おい!フリューゲル、何やってんだ…?仲間じゃないのか……?」
「いや、こいつらは、仲間ではない。私の命令に100%従える者でなければ全て『悪』だ」
そして、ゲミュート、リヒト、サハリンはフリューゲルによって強制退場させられてしまった。
「全て悪って……自己中極めすぎだろ…」
「うん?自己中…?」
「いや、なんでもない…それより、俺はお前の顔面を1発、いや、2発いやいや、100発殴りに来た」
「そうか」
フリューゲルは銃夜に剣を向ける。
とてつもないプレッシャーだ。
瞬間、フリューゲルは風を切り裂く斬撃を銃夜に浴びせる。
「く……!」
しかし、一瞬早く駆けつけたフリーデンの防御魔法によって防がれてしまった。
「すごいな、その魔法私の斬撃をも防ぐのか…」
「フリーデン…!!」
「ジューヤさん、こいつは、やばい、です」
フリーデンの様子がおかしい。
「だが、貫通はしたな」
瞬間、フリーデンの腹から血が噴水のように思いっきり吹き出た。
「フリーデンっっ!!!」
そして、早くもフリーデンの脱落が決定してしまった。




