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第91話 魔王軍討伐作戦その➇

 ダークエルフ、カーナとの戦いは熾烈を極めていた。

 カーナのもつサイコガン風の銃に圧倒されている。


『くそっ!刃が立たないっ!!』


「バナン!諦めないでっ!!」


 すると、カーナは意味深な発言をする。


「そろそろ、かしらね」


 カーナは人差し指を口元に当てて言った。


「そろそろ?なんのことか知んないけど、そろそろガチで行かせてもらうよっ!!」


 リンジーは、操縦席の小さいガラスで保管されているボタンを開いてポチッと押した。

 リンジーのアルカディオンはクワガタムシ型だ。

 角と角の間から超高圧エネルギー弾を発射することができる。

 次第に、角と角の間にエネルギーが蓄積されていき、やがて、一つの弾となった。


「発射っ!!」


 そのエネルギー弾をカーナをめがけて発射する。

 ―――直撃。

 かと、思えた。

 カーナに当たる寸前で、カーナは武器をその場に捨て、防御魔法を発動させた。

 瞬間、カーナの周りに六角形の大きな盾が出現する。

 その盾はリンジーのエネルギー弾を軽々防いだ。


「やはり、この程度か劣等人種……そして、もう、布石は打たれました。我々の勝ちです」


 刹那、リンジーの後方から大きな爆撃音が聞こえてきた。

 その音がした方向に目を向ける。

 なんと、爆発したのはシーラ帝国だった。

 リンジーのその目は絶望を語っていた。


「なんで……?」


 リンジーはカーナに尋ねる。

 すると、カーナはゆっくりと言葉を並べる。


「さっき、あなた方の大将が戦っていたダースというノーライフキングを覚えていますか?」


「……何言ってっ?」


「そのノーライフキング……実は偽物だったのよ。そして、その本物はどこにいるのか?それは―――」


 カーナは大きな爆発があったシーラ帝国の方向に指を向ける。


「こっこ♡」


 瞬間、カーナ、パンドラを含めた全てのモンスターの真下に魔法陣が出現した。

 ダースによる空間魔法だ。

 もちろん、逃げたのではない。

 転送されてその先はシーラ帝国だった。

 見事、ガンマ隊はその罠を見破ることができずに、やられたというわけだ。

 ヌルは自身が戦っていた敵が偽物だと知り、操縦席を思いっきり叩く。

 しかし、ヌルはまだ冷静だった。


「少佐、現状の報告を」


『い、今っ!魔王軍がシーラ帝国に蹂躙しているっ!!』


 そして、サドラー少佐はある命令を下す。


『あなた達っ!!今すぐ逃げなさいっ!!』


『え?』


 リンジーは乾いた声でそう言った。


『大丈夫だわ。私達もすぐに避難する。運が良ければ逃げ切れるかもね』


『で、でもっ!?そんなの、ダメだよ。助けに行かないとっ!!』


『これは命令よっ!』


 その後、サドラー少佐の通信機の音質が乱れる。

 最後に聞こえたのは大きな爆撃音だった。

 ガンマ隊は全員その場で悔し涙を流した。


「作戦中止、これより緊急避難を開始する」


 ヌルは一言そう言った。


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