第53話 第1試合
銃夜達は第1試合なのでそのままアナウンスが続く。
『では、スメラギ ジューヤ様のユキヒメと愉快な仲間たち前へお進みください』
すると、部屋の壁がガガガという音を立てて道が開いた。
銃夜は他のパーティーメンバーにアイコンタクトを取る。
「うん……!」
全員の了承を得て、恐る恐るその道を進んでいく。
そして、やがて開けた場所に出た。
中は洞窟のような屋内だ。ここはダンジョンなのだから当然か。
「あれぇー?君がジューヤってやつぅ?」
銃夜達が進んで来た反対側から4人のパーティーがやってきた。
4人ともガチガチの防具をしていて話しかけてきた奴は小さな斧を持っている。
身長は銃夜とさほどかわりはないだろう。
「お前がガイストか?」
「ああ。よろしくぅ」
そして、先程の通信魔法だろうか銃夜とガイストの目の前にモニターが現れた。
『では、ルールを説明します』
そう言ってさっきのアナウンスの声が聞こえてきた。
アナウンスは相変わらず機械的な音声だ。
『戦うフィールドはここ、ダムシュシーノダンジョン。ここはヘリルスではありません。転移魔法者がこのダンジョンに移動させました。このダンジョンは既に開拓済みでモンスターが襲ってくることはないでしょう。しかし、あらゆるギミックがあります。そのギミックこそが勝敗のカギとなるでしょう』
「メモメモ」
フリーデンがメモをする。
『そして、勝敗は、殲滅戦で一定ダメージが与えられたら自動的に先程の部屋に移動します。
先に殲滅させた方の勝利とやります。
さらに、死亡が確定した瞬間、殺した方のチームの敗北となりますので、注意してください』
「ひぇー殺したりしませんよ!」
ルーナは平常通りのようだ。
『では、両チームスタート地点についてください』
「了解」
銃夜達、そして、ガイスト達はスタート地点に移動する。
『いいですか?それでは、スリーカウント終了後、開始してください』
『3』
機械的音声が、スリーカウントを始めた。
『2』
銃夜の額から汗がこぼれ落ちた。
『1』
今、始まる。
『0』
そう言い切られた瞬間、コンマ0.01秒でユキヒメが動く。
「細氷っ!!!」
氷の柱が魔方陣から一気に放出する。
「クライノートっ!!!」
ガイストがそう叫ぶ。
クライノートとはガイストのパーティーメンバーの一人だ。
仮面を被っていて素顔は確認できないが体つきからしておそらく女だ。
さらに、フリーデンと同じように杖を持っている。
魔法使いだ。
「防御まほ―――」
――うクライノートが言いかける。
ガイストのパーティーの周りに防御結界が貼られた。
しかし、ユキヒメの攻撃は貫通する。
ユキヒメの攻撃の方が僅かに発動は早かったらしく柱が思いっきりクライノートを守っていた防御結界に突き刺さる。
「え…ユキヒメさん……死んでないよね……」
「知らん」
「おいっ!これ死んでたら俺達の負けだぞっ!てか、それ以上に人様を殺しちゃいかんでしょ!!」
が、ガイストの仲間の一人であるルーエという人に救われた。
「ヒールっ!!」
どうやら、間に合わなかったのはクライノートの防御だけだったらしく他のメンバーはしっかりと守られていた。
そして、ルーエはクライノートに回復魔法をかける。
しかし、既に一定ダメージを迎えていたクライノートはここでリタイア。
例の部屋に戻される。
「ひゅーはぇー」
ガイストは口笛を吹きながらまるで、他人事のように言った。
「レーヴォっ!!」
ガイストは次の采配をする。
レーヴォと呼ばれたのは鋼鉄の鎧に身を纏っている剣士だ。性別は男でそれなりに筋力がありそうだ。
脳筋という言葉は彼にとても合っているだろう。
レーヴォは何も考えずにこちらに突っ込んできた。
「うぉぉぉぉ!!」
「ここは、そろそろ俺の出番かな?」
銃夜は準備体操をしながら言った。
そして、仲間に指示を出す。
「いいか。あのレーヴォは俺が倒す。だから、ユキヒメはガイスト。そして、一番厄介そうな回復役のルーエはフリーデンとルーナでやる。オーケー?」
「「「了解っ!!」」」
そして、それぞれの目的を達成すべく散り散りになる。
「ガハハハっ!!お前、俺様にさしでやろうってか?笑わせるなっ!!」
「ははははっ!!大マジさっ!見た所お前結構強そうだね。だが、残念。ここは、ダンジョン。君みたいな脳筋君では到底俺を倒すことはできない。宣言しようっ!ノーダメで終わらす」
「ちょうしにのるんじゃねぇっ!!!」
レーヴォは大きく剣を振りかぶる。
(大振り。はい、おしまい)
レーヴォが振った剣はダンジョンのギミックの一つであるとある赤いボタンに触れてしまう。
ポチッ
「っ…!!」
その瞬間レーヴォは爆発してしまった。
「だから言ったじゃん脳筋君には向いてないって。あらかじめ、ボタンの位置に誘導しておいた。まぁ、このボタンが何かは知らなかったけどさ」
レーヴォはここでリタイア。
「これじゃあ武器を使うまでもないね」
やがて、爆発が落ち着くとユキヒメは既にガイストを落としていて、ルーナとフリーデンもルーエに勝利していた。
「ふぅ~終わりました」
ルーナが汗を拭う。
「お、意外と早いなお前ら」
「当然でありんす」
「はい!」
第1試合が終了し、再び、モニターが現れる。
『ユキヒメと愉快な仲間たちの勝利。では、部屋に帰還します。次の対戦が終わるまで十分に回復するように』




